2011/12/219:33 『信仰はどのように継承されるか ―― 創価学会にみる次世代育成』 猪瀬優理 創価学会はいわずと知れた日本最大にして、独自の支持政党・公明党を生み出し、国政・地政におけるキャスティング・ボードを握るまでに育てた特異な教団である。 しかし、本書の主眼は創価学会自体の解明にはない。本書の目的は、親から子へ、先行世代から後継世代へと教団の価値観、組織の行動様式が、そのときどきの社会状況に応じて再編されながら受け継がれていくプロセスをみることである。創価学会はその一事例として取り上げたにすぎず、創価学会に関する政治的な側面からの新たな資料や観点については提示できてはいない。創価学会に関する研究書ということでその点を期待される読者諸氏には物足りないものとなっているかもしれない。 会合に参加させてもらいながら、聞き取り調査を受けてくれる人を探し、お話を聞いてきた。彼らの口か