多くのユーザー企業で、情報システム部門が衰退した----これは動かしがたい事実であるが、ではその原因は何か? 経営者がITに無理解だったからという天動説や、経営の期待にシステム部門が応えらなかったという地動説など諸説ある。しかし、よくよく考えてみると、システム部門の衰退は“歴史的必然”なのだろう。 今、システム部門が総力を挙げて取り組む開発プロジェクトは、どれくらいの頻度があるだろうか。おそらく金融機関、通信、一部の製造業を除けば、よほどの大手企業でも4~5年に一度程度だろう。そんな頻度では、システム部門が経営の視点でIT活用を考え、利用部門に対してリーダーシップを発揮してIT化を推進することなど、夢のまた夢である。 そもそも、システム部門が最も経営の視点でモノを考える機会は、基幹業務システムの構築など大規模な開発プロジェクトの時である。大規模なシステム構築とは業務プロセスの再設計であり、