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シンガーソングライタに関するbandshijinのブックマーク (96)

  • 石崎ひゅーい『シーベルト』を聴いたふたつの夜

    石崎ひゅーい『シーベルト』 この曲と私が出会ったのは、代々木のライブハウスだった。あるオールナイトイベントにちょっと出演するのを兼ねて参加した。 そのとき、そのイベントの主宰者だった音楽関係者の人が、ちょうどその時期リリースしたてだった石崎ひゅーいのファーストアルバム『独立前夜』収録の『シーベルト』を一晩中リピートしてかけ流していた。 この曲が彼のいちおしだったのだろう。主宰の彼は私に、曲中のことばを借りて 『お前に※母ちゃんのほうれん草いてぇなぁって言えんのか?』 (※“神様なんか信じないよ 美味しいもんいっぱいべたいな 寿司くいてぇな 母ちゃんが作ったほうれん草のおひたしがいてぇなああ”『シーベルト』より、作詞・作曲:石崎ひゅーい…という歌詞) と絡まれた。彼は酔っぱらっていた。初対面だったし、なんかイラっとした。けど『シーベルト』は一晩中聴いてテンションぶち上げるのにおあつらえ

    石崎ひゅーい『シーベルト』を聴いたふたつの夜
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    bandshijin 2021/01/13
    7年前ライブハウスのオールナイトイベントでヘビロテして聴いた石崎ひゅーい『シーベルト』を再度堪能。彼の歌、ことばとアレンジメントを客観と無心で聴く。これがまたいい。
  • 小山田壮平『恋はマーブルの海へ』とRayonsのシンセサウンド、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の伏線

    小山田壮平が配信シングルをリリース。 テレビ東京ドラマ25『直ちゃんは小学三年生』エンディングテーマ。初回放送日が配信日でした。 一聴して感じるきらめき、絢爛さ。素敵です。 鉄琴のようなオルゴールのような金属的な芯を感じさせるトーンのメロディが間奏や歌のバックに入ります。ポルタメントする厚みのあるシンセ音がウィンウィンと唸ります。ストリングスのサンプリング音のような? オルガンのようなトーンも左のほうから……といった具合に、シンセ(鍵盤類?)の音作り豊か。 Bass:藤原 寛 Guitar:濱野夏椰 (Gateballers) Drums:久富奈良 (Gateballers、ナツノムジナ) Synthesizer:Rayons Recording & Mixing Engineer:佐藤雅彦 (mixmix.) Mastering Engineer:中村宗一郎 (PEACE MUSIC)

    小山田壮平『恋はマーブルの海へ』とRayonsのシンセサウンド、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の伏線
    bandshijin
    bandshijin 2021/01/12
    小山田壮平、恋はマーブルの海へ。シンセを取り入れた音作りの広がり、心象風景が聴き手を映す歌詞。ドラマ、直ちゃんは小学三年生の台本を読み発想したとのこと。彼の作曲と、周りとの関わりが気持ちいいポップに。
  • 大江千里『格好悪いふられ方』 多重人格のポップソング

    原曲音源よりも半音低い調で歌っている 大江千里の『格好悪いふられ方』を私が認知したのはドラマ『モテキ』だった。2010年の放送が2011年に再放送されているのを見た(確か)。 ドラマの進行に合った選曲? で、「イイ音楽」がたくさん劇中に使われている。主題歌のフジファブリックの『夜明けのBEAT』もこのドラマで繰り返し聴いて好きになった。とにかく主演の森山未來がよく走るドラマだった記憶(『夜明けのBEAT』MVにも彼が出演して走っていたように憶えている)。 大江千里『格好悪いふられ方』は第1話で用いられた様子(Wikipedia)。 音楽 イントロ。A♭キー基準で見たら|Ⅳ→Ⅴ|Ⅵm|とⅣからⅥに向かって上行していくパターン。トニックにⅥmを多用してエモーショナルな雰囲気。あるいはFm調? AメロはA♭調でトニックにⅥmを使っているとも思ったけど、Fm調だろうか。CmではなくC(C7)のコー

    大江千里『格好悪いふられ方』 多重人格のポップソング
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    bandshijin 2021/01/11
    長短の和音が入り混じる。割り切れた明るさ、未練や回顧を感じさせもする。音楽と言葉の振れ幅が大きく魅力。異質な要素が調和・協調してもいる。まるで多重人格のポップソング。大江千里『格好悪いふられ方』
  • 槇原敬之『遠く遠く』と『どんなときも。』 通底する意志

    夏に味わった『どんなときも。』 夏頃(2020年)に、槇原敬之の『どんなときも。』を味わいました。ここでいう「味わう」とは、聴いたり、聴き込んで曲の特徴を抽出して自分で弾き語ってみたりするという方法で鑑賞することをいいます。 「聴いた上で、弾き語る」は、その曲を私の心に深く根をおろすものにする積極的な方法のひとつです。 自分で好きな曲を弾き語る体験は、オリジナルとなるアーティスト、たとえば槇原敬之が一般にどういう存在なのかとか、同様に『どんなときも。』という曲がどういう背景を持って生まれたものなのかといったこととは別に生じる固有の記憶です。 何が言いたいかと言いますと、私は槇原敬之やその楽曲について正しく詳しい具体的な背景などの情報を持ちませんが、曲に触れ、想像を膨らますことができるのです。 それはもちろん、どなたについても同じことが言えるのかもしれません。 そんなわけで、ただ雑然とした現

    槇原敬之『遠く遠く』と『どんなときも。』 通底する意志
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    bandshijin 2021/01/10
    「遠さ」「隔たり」は最近の私が頻繁に意識する概念でもあります。『遠く遠く』『どんなときも。』の本質には、望むほうへ向かい、努め、成そうとする意志、変化し、高め、良くなって行こうとする情熱を感じます。
  • ビートたけし・玉置浩二『嘲笑』 星を讃える、気持ち揺さぶる歌声

    遠いのは気というより星 こちらによれば、「アンドロメダ銀河は地球上から肉眼で見える最も遠い天体」だそう。その地球からの距離はWikipediaによれば254万光年。 目で見える星の中には、最も古くて254万年前の姿を今の私に届けているものがあるということ。光のはやさで急行しても254“万”年かかる距離とは「気が遠くなる」という表現ではもはや足りない。(あるいは、私が「気」を過小評価している?) 北野武・玉置浩二『嘲笑』 ビートたけし『嘲笑』。彼の歌がなぜこうも気持ちを揺さぶるのか。歌の上手さとは何か考えを改めるきっかけをくれる。 “百年前の人 千年前の人 一万年前の人 百万年前の人 いろんな人が見た星と 僕らが今見る星と ほとんど変わりがない それが嬉しい”(『嘲笑』より、作詞:北野武、作曲:玉置浩二) 百光年はなれたところにある星の姿は、百年前に存在した地球人と同時代に存在していたときの

    ビートたけし・玉置浩二『嘲笑』 星を讃える、気持ち揺さぶる歌声
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    bandshijin 2021/01/09
    シンプルなのでカデンツ(音楽における句読点)に目がいく。素直な曲づけ。純朴。歌詞が際立つ。玉置浩二の歌唱力については賞賛する声が星の数。ビートたけしの視点に共感と感心。
  • 西岡恭蔵『プカプカ』 漂う煙とすれ違うように

    ここ数日、私の音楽鑑賞の焦点が高田渡に集中していた。彼を聴いたり、曲のもつ歌詞やコードを書き取ってみたり、自分で歌ってみたりした。そんな様子をここのブログに書いてSNSでシェアした。 そうしたら、ある反響をもらった。こんな曲はいかがと。それは西岡恭蔵『プカプカ』だった。 どこかで耳にしたことのある曲だった。西岡恭蔵人の音源かもしれないが、誰かのカバーやコピーだったかもしれない。「これを聴くぞ」と意志を持って聴いたのは初めてだった。 タバコ、スウィング(音楽、歌?)、男、占い……これらを好きな女性っていそうだ。目にあまって「やめなよ」って言ってもああだこうだ言って「やめない」。あるいは、そのときだけやめた風にして結局続けている。ああ、当に、私の身近にもこんな人がいそう。 一方で、「私とはお関わり合いのなさそうな女性像だな」というのも正直なところである。タバコだとか男だとか占いだとか歌や音

    西岡恭蔵『プカプカ』 漂う煙とすれ違うように
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    bandshijin 2021/01/06
    安田南という実在の女性をモチーフにしているらしい。その人はきっと、いろんな人の中にいる。「誰かの歌った、ナントカって曲…ありふれてるのに具体的で、なんかいい曲なんだよね」と私の胸の内の誰かがこぼす。
  • 高田渡『銭がなけりゃ』 眺める東京

    27:41〜『銭がなけりゃ』 イントロの「ぱんころみゃんみゃん」と軽やかで妙味ある演奏は岩井宏によるバンジョー。石田順二のフィドルが上に上にと音程をずり上げ、重音を聴かせる。はっぴいえんどの4人がベーシックに参加。コーラスには遠藤賢司も。複数で歌っていて1オクターブ上にも聴こえる。加川良、バンジョーの岩井氏、はっぴいの4人もコーラスに参加。「生ギター」は中川イサト。(出典:高田渡『ごあいさつ』CDジャケット背面) 歌の質感はフォーク(私の抱くフォークのイメージ自体、高田氏が与えた影響によるものかも)なのだけれど、マージー・ビートといっていいのかモータウンとでもいうのか、外国由来の「はっぴい勢」のファンキーなリズム&ブルースというのか新しいロックというのかそのスタイルの融合を感じる。これが美味しくて仕方がなくて、私の語彙が足らなくてもどかしいのだけれどとにかくヨダレが出てしかたない音楽だ。協

    高田渡『銭がなけりゃ』 眺める東京
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    bandshijin 2021/01/05
    東京にみんなが押し寄せたのが高度経済成長期(それに向かっていく頃)像。個人や社会の真実を切り取って描く音楽を「フォーク」の性格だと後の人が認めるきっかけをつくった一人が、これ高田渡かもしれない。
  • 矢野顕子『ひとつだけ』 ソングライターは霊媒 〜忌野清志郎と響く歌〜

    矢野顕子『ひとつだけ』を、私は忌野清志郎との共演バージョンでYouTubeで見て知った。 音楽友達と飲んでいるときに、こんなものがあるよとこの曲を教えてもらった。音楽友達には私の知らない音楽をあれもこれも教えてもらっている。音楽の原野で私はいつも生まれたての子鹿だ。か細く震えながら必死で立ち生きていこうとしているが、こうして友達に助けられながら情熱を保ってどうにか歩いている。 ひとつだけ with 忌野清志郎 https://youtu.be/rJcQf1SfDRM 重複になるが、私が最初にこの曲を知ったバージョンがこれ。矢野顕子30周年時に発売した入門者向けアルバム『はじめてのやのあきこ』(2006)収録。『矢野顕子、忌野清志郎を歌う』(2013)にも同一音源(リマスター)を収録。 くどいようだが、忌野清志郎との共演版で私はこの曲を知ったので、初めて聴いた時は彼との共作かと思った。それく

    矢野顕子『ひとつだけ』 ソングライターは霊媒 〜忌野清志郎と響く歌〜
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    bandshijin 2021/01/04
    コード進行、複雑なのだけれどとても奔放に、メロディや音楽が行きたがるほうに導いている。さすが。理屈をのアタマを愛嬌もって笑ってくれているようでもある。矢野が愛で愛が矢野だ…なんて言ってみたくなる。
  • 高田渡『生活の柄』 野のなかの屋

    高田渡を私が知ったのは、音楽を知るツールとしてYouTubeを使いはじめてからだった。いまの自分の人生を二分したら後半に分類できる。 小学生〜中学生くらいの頃の私は、平凡に同級生の多くが知るようなJ-POPに触れて育った。 高校生になって軽音楽部でバンドをやるようになって、海外のバンドやインディーズロックも聴いたがフォークに深い理解を築くには至らなかった。ボブ・ディランのフォークへの位置付けが許されるのであれば、知っていてせいぜい『Like a Rolling Stone』。当時気に入って聴いていた黄色いコンピ(※)に入っていた。 浪人を経て音楽大学に入ると、音楽を聴くよりも毎週の実技レッスンに備えてピアノや声楽を練習し日々の授業を消化するので時間は過ぎた。この時期より前、すでに私は自分で作曲して多重録音するようになっていた。音楽を聴くよりも「やる専門」になってしまっていた。それでは「片輪

    高田渡『生活の柄』 野のなかの屋
    bandshijin
    bandshijin 2021/01/02
    野宿は、現在の私にとっては非日常。でも、それが日常である人もいる。私やあなたの日常と非日常は、いつ反転しないとも限らない。そこに普遍性がある気がしている。高田渡『生活の柄』について考える。
  • ハナレグミ『家族の風景』 キッチンから、言葉と響きの芽吹き

    キッチンは生活の象徴。家族の生命を養う源泉地。それでいて、複数の人数が立つには狭い。だから、ばらばらに、入れ替わりながら誰かがそこに居る。 親父が換気扇の下で吸ったタバコの箱。残った氷が溶けた水が溜まった、飲みっぱなしのウイスキーのグラス。母親と料理の関係を絵にすると、そこにはついフライパンを描き込みたくなるかもしれない。 僕はといえば……家族の目を忍んでこっそりと冷蔵庫を漁りっては何かを口に入れてみたり、収納棚から出してきたお菓子を腹の中に隠して持ち出してみたり。時間を棲み分けて、ばらばらに家族の姿があるのがキッチンの風景にありがちだ(もちろん誰かと誰かが同時に立つ機会もあるだろう。ちょっと特別で、貴重な機会かもしれない)。 家族は、1番すべてをお互いに把握している間柄のようでいて、1番基的なことさえも知らない間柄。毎日決まった時間にだいたい誰かが居る。帰ってはまた出て行く場所。家族と

    ハナレグミ『家族の風景』 キッチンから、言葉と響きの芽吹き
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    bandshijin 2020/12/28
    ハナレグミ『家族の風景』。9th、7th、4th、和声・非和声音間の出入り。メロディの横の動きは家族一人ひとりそのもの。響き合い、あるいは自立の様相みな含めて、「家族の風景」。なんていい歌なのか。
  • 細野晴臣『冬越え』 厳冬と暖話 〜在りし日の米軍ハウス〜

    これの歌詞に、「くしゃみをひとつ」というフレーズが出てくる。 どこかで出会ったことがあるなぁ、この句。 ちょっと記憶をさぐる。すぐ思い出した。細野晴臣『冬越え』だ。 細野晴臣 冬越え 『冬越え』は細野晴臣のアルバム『HOSONO HOUSE』(1973)に収録されている。 1972年6月に細野晴臣は白金台の実家を出て、狭山のアメリカ村に移住。翌年の2〜3月に、ここでホーム・レコーディングされたのが『HOSONO HOUSE』。 彼の住んだ建物はいわゆる米軍ハウス。建て付けの悪さなのか、窓からのすきま風がとても寒かったらしい。彼は石油ストーブで冬を乗り越えた。毎日給油と掃除をしたという。夏にここへ移り住んで、冬を経験。新年を迎え、2〜3月にこのアルバムのレコーディング。録音に入る直前の冬の体験がこの曲の発想元になったんだろうか。 歌詞のおかしみ そんな細野晴臣の人物史を少しでも踏まえて鑑賞す

    細野晴臣『冬越え』 厳冬と暖話 〜在りし日の米軍ハウス〜
    bandshijin
    bandshijin 2020/12/20
    細野晴臣の歴史を踏まえるといっそう可笑しくて素敵な歌詞。とにかくひたすらに寒かったのだろう。垣根のない米軍ハウスでの人の交流は温かかったかもしれない。「紅茶」がその象徴か。細野晴臣『冬越え』
  • 奥田民生『まんをじして』 何歳でも貫禄

    『HR』より こんな感じだったか。懐かしいというか普通に新鮮。生瀬勝久氏よ。三谷幸喜脚・演出、香取慎吾主演。2002年〜2003年放送。定時制高校が舞台。中村獅童、篠原涼子…(うわぁ)。 まんをじして ライブ音源 まんをじして LIVE/2015.11.3@市川市文化会館 大ホール スライドギターの刻みのオープニング。ドラムのシックスティーン。ピアノが右にいる。中央付近にベース。 間奏ソロはピアノ。“サイトウユウター!”と奥田民生。(斎藤有太) ドカドカしたエンディングのドラムソロ。独特のバチバチした音はシックスティーンウラに手で持ったスティックでバスドラムを加えているのかな? 最後に音を引っ張ってマワすとき、ティンパニーみたいな太鼓の音が聴こえる。セットリストにこれを使う曲があったのかな?(セットリストはおおむねこちらのライブ盤にあるような感じか。http://www.billboar

    奥田民生『まんをじして』 何歳でも貫禄
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    bandshijin 2020/12/19
    「意味」をわらうかのような、遊びに満ちた奥田節の歌詞はかの日も好調。シングル『まんをじして』、同曲を収録したアルバム『E』は2002年リリース。奥田民生氏は当時37歳。貫禄よ。
  • 星野源『ただいま』 顧みる郷土

    『ばかのうた』『ただいま』との出会い直し 星野源、細野晴臣の共作 俳優もやるし踊るし、インストバンド・SAKEROCKのメンバー。その人が今度はソロアルバムで歌ったと。そんな星野源の新しさを当時の私は過小に受け取ったらしい。2010年に『ばかのうた』が出て、身近な人にすすめられて私はそれを聴いた。冒頭の数曲、『ばらばら』『グー』などから受け取ったいくつかの印象。素朴で土っぽい匂いがした。それらのみで、なんとなくそのアルバムをやりすごしてしまっていた。 先日、ツイッターを見ていたら気になるの情報が流れてきた。新しく出るものだ。それも今月17日(2020年12月)発売。『細野晴臣と彼らの時代』という。 「細野晴臣と彼らの時代」、発売まであと1週間になりました。こちらから冒頭の10ページを試し読みしていただけます(「立ち読みできます」を開いてください)。ご興味とお時間のある方はぜひ、ちらりと

    星野源『ただいま』 顧みる郷土
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    bandshijin 2020/12/16
    星野源のファーストアルバム『ばかのうた』に彼と細野晴臣の共作『ただいま』が収録されている。歌詞の乗せ方やちょっとひねったコード。普遍だけど特別な、到達点からふるさとを顧みるような再出発の歌。
  • 伊藤銀次(ナイアガラ・トライアングル)『幸せにさよなら』 決別の歌、人生の面(ツラ)

    伊藤銀次作詞・作曲『幸せにさよなら』。 https://www.nicovideo.jp/watch/sm23434366 私はこの曲をかもめ児童合唱団によるカバーで知った。彼らのアルバム『インターネットブルース』に収録されている。 原曲は大滝詠一・山下達郎・伊藤銀次によるナイアガラ・トライアングルのアルバム『Niagara Triangle Vol.1』(1976)に収録。『幸せにさよなら / ドリーミング・デイ』としてシングルカットされている。 私が大好きなのは曲が1分を過ぎたくらいの頃からのCメロ。コード進行に「ナイアガラ感」というか、たとえば具体的にいうなら大滝詠一『スピーチ・バルーン』のコーラス部のマイナーコードの使い方のようなセンスの妙を感じる。 こういうCメロのようなふわっと雰囲気の変わる部分は多くの曲ではもうちょっと、曲全体の尺に対して後ろの方に置かれると思う。こんなに前半

    伊藤銀次(ナイアガラ・トライアングル)『幸せにさよなら』 決別の歌、人生の面(ツラ)
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    bandshijin 2020/12/15
    伊藤銀次(ナイアガラ・トライアングル)『幸せにさよなら』。かもめ児童合唱団のカバーで知った。伊藤銀次氏はウルフルズのプロデュースなどでも知っていたけど、ご自身も歌手、シンガーソングライター。素敵。
  • Warm And Beautiful 絞った音数の美妙

    なんて美しい曲なんだろう。ポール・マッカートニーのアルバムは一応、いくつも聴いている。そのすべてをすり切れるほどに聴くには未到だけど、日々、ポールの関連作を漁りながら「うわぁ、これもいい」「こんなのもあった」「あのときのこれだ!」といった具合に出会い直しながら魅力を発見し続けている。そんな風にして、最近改めてその美しさ、精緻な味わいを実感している曲が『Warm And Beautiful』。 Wings名義でリリースされている。アルバム『At the Speed of Sound』収録。11曲目でアルバムを締めるクローズィング・ナンバーでもある。邦題『やさしい気持』の名にふさわしい。あたたかでやさしい速度感のサウンド。 音数を絞ってある。ピアノはポール・マッカートニー。低音とトップ・ノートの2音だけで伴奏している瞬間も聴き取れる。歌を含めれば3音。これで十分なんだなと、音楽の奥深さを思い知

    Warm And Beautiful 絞った音数の美妙
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    bandshijin 2020/12/14
    強拍に堂々と置く非和声音がこの曲の肝。4分音符単位の動きを主にしている。同音連打と跳躍、大胆な非和声音とその解決が色彩を見せてくれる。これで十分。いや、これが十分。Warm And Beautiful 絞った音数の神妙
  • 斉藤和義『空に星が綺麗』 私の頭の中の吉祥寺に響く歌

    この曲が当に好きだった。 ちょっとそのことを忘れていたのだ。 あんなに好きだったのに、しばらくこの曲のことを忘れていたのが意外だった。悔しくも思った。 『白盤』で初めて聴いた。レンタル屋で借りて、iPodに入れて頻繁に聴いた。私は大学生か卒業して数年くらいの青年だった。 サブタイトルに「〜悲しい吉祥寺〜」と入ることから、歌詞に出てくる「公園」は井の頭公園をイメージする。 私も当にたくさん訪れた公園。あんなこともこんなこともあった。 ミュージシャンって、より多くの人の働き方からはだいぶ外れた存在に思える。それなのに、たとえば私のような凡人の気持ちをどうしてこれほどまでにわかるのか、斉藤和義さんよ…とでも嘆きたくなる。そんな歌詞なのだ。 厳密には、私の気持ちなんて誰もわかっちゃいない。あなたの気持ちだって私は知らない。だから、この曲はただ私の気持ちを知っているかのような気にさせて、揺さぶる

    斉藤和義『空に星が綺麗』 私の頭の中の吉祥寺に響く歌
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    bandshijin 2020/12/13
    サブタイトルがなかったら歌詞から井の頭公園をイメージしたかしら。実際に吉祥寺をうろうろしながらで聴いた『空に星が綺麗』、最高でした。アレンジ、メロ、コード…お手本にしたい、私の殿堂入りな一曲。
  • 斉藤和義『Baby, I LOVE YOU』 シンプルを魅せる作り込み

    先日、くるりの『BABY I LOVE YOU』を検索したら、斉藤和義にも同名曲(表記がちょっと違うが)『Baby, I LOVE YOU』があることを思い出した。 同名異曲が多いのも「わかる」と思える、曲のタイトルが持つ普遍的なメッセージ。 コードはシンプル。歌メロディはペンタトニック・スケール。歌詞の内容もラブソングだと思える。でも印象に残る一行がある。 “冷めてる奴が言う 「どうせすぐあきるさ」 そんな奴に見せてやりたいな あのくちびる あのときの顔”(『Baby, I LOVE YOU』より、作詞・作曲:斉藤和義) 「あのときの顔」とある。「あの時ってどの時?!」なんて野暮なことを訊いてはいけない。あの時といったらあの時なのである。 私ならためらってしまうような、直球で赤裸裸な表現だと思う。ここに斉藤和義らしさを感じる。 シンプルに思えるけど、演奏の録音がとてもよくつくり込まれてい

    斉藤和義『Baby, I LOVE YOU』 シンプルを魅せる作り込み
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    bandshijin 2020/12/12
    「シンプルな印象」を演出した、作り込まれた曲。ストロークリズムが肝。キックの4つ打ちプッシュ。ベースとギターが1、2拍目ではそれに同調して乗るが、3、4拍目でウラ拍を絡めて外している。ユニゾン・プレイが吉。
  • ウルフルズ『ガッツだぜ!!』同主調間の転調

    ∞ サブスクのランダム?再生 Apple Musicを使っているのだけれど、重宝している機能が「∞」。任意の曲を選んで表示させた状態でこのマークをタップすると、マークのとおり、延々とほかの曲の再生を続けてくれる。それも、いま選んでいる任意の曲と近い(と思われる)ものを。 と書いてはみたものの、何が「近い」うちに入るのかわかりかねる。察するに、主にジャンルとか時代とか地域だと思う。関連づけの要素にはほかにどんなものがあるのだろう。 要は、自分の好きな曲を再生してこの「∞」をオンにしておくと好みに近いものが次々にプレイされる可能性が高いということ。 そのおかげで新しい出会いがあるのはもちろんうれしいが、既に知っている好きな曲が勝手にプレイされることが多い。このおかげで、私は日々「味わい直し」を楽しんでもいる。 That’s the Way ...ではなく『ガッツだぜ!!』 この曲を久しぶりに聴

    ウルフルズ『ガッツだぜ!!』同主調間の転調
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    bandshijin 2020/12/11
    ウルフルズ『ガッツだぜ‼︎』。ファンキーでブルージーな匂いを4つ打ちのディスコビートに乗せた佳作。サビ⇔ヒラウタでの同主調どうしの転調が吉。PVがとにかくヘンテコ。
  • 『Woman』ジョン・レノンの命日とDouble Fantasy

    ジョン・レノンの命日とDouble Fantasy SNSのタイムラインを見ていて気付く。12月8日はジョン・レノンの命日だった。過ぎてしまったな。 1980年12月8日、22時50分頃にダコタ・ハウス前で待っていた犯人マーク・チャップマンに銃撃されて、23時過ぎに亡くなった。 亡くなる直前の1980年11月17日にJohn Lennon & Yoko Ono名義でアルバム『Double Fantasy』を出している。5年程のミュージシャン休止期間に終わりを告げる作品だった。復帰後の活動を世界中が楽しみにしたところだったのではないか。銃撃され亡くなった当日にも、事件前にミキシングのためにスタジオを訪れたり、インタビューを受けたりしたという。復帰も束の間、また長い休止期間が訪れてしまった。 この『Double Fantasy』のCDを私は持っている。2000年に出た、デジタル・リマスタリング

    『Woman』ジョン・レノンの命日とDouble Fantasy
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    bandshijin 2020/12/10
    John Lennon & Yoko Ono『Double Fantasy』。1980年12月8日、ジョン・レノンの命日に思いをはせる。彼が亡くなる直前の11月、5年ほどのミュージシャン休止生活を破って出たアルバム。『Woman』は私のフェイバリット・ソング。
  • くるり『BABY I LOVE YOU』属調との連結の妙

    くるり – 列島ウォ~リャ~Z at Sapporo PENNY LANE24 (2019.06.21)(残念ながらリンク切れ)。 ライブ中盤に『BABY I LOVE YOU』が含まれていた。この曲のライブを鑑賞したのは私はこのときが初めてだった。改めて曲の魅力を思う。 BABY I LOVE YOU 収録アルバムは『NIKKI』(2005年)。『BABY I LOVE YOU』はシングル曲でもある。(執筆時から)15年前…リリース時、私は浪人生だったのを思い出す。 マサチューセッツで録音したという。当時のロッキング・オン・ジャパン誌でインタビューを読んだ。おぼろげな私の記憶によれば、ヘッドフォンを使わないで録音したとメンバーが述べていた(つまり、スピーカー等でオープンエアーにモニター音を出す。収録音にモニター音がより多くカブるやり方といえる)。独特な収録方法や環境、積極的な音作りの賜物

    くるり『BABY I LOVE YOU』属調との連結の妙
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    bandshijin 2020/12/09
    転調がスムーズ。コード進行、前後の関係に着目。複数のボーカルパートのポジショニングの変化にも。温かみある音像も魅力。また好きになった一曲、くるり『BABY I LOVE YOU』。先日のYouTube Music Weekendで聴いて。