新型コロナの影響でしばらく中断していた出生前診断の議論が、再び動き出した。6月20日、日本産科婦人科学会は「NIPT(新型出生前診診断、無侵襲的出生前遺伝学的検査または母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」の実施基準を緩和する改定ガイドラインを取り決め厚労省に提出すると発表した。厚労省では昨年ワーキンググループが立ち上がり、あるべき体制を模索している。 【写真】ダウン症のある姉の弟へのまなざしが…産む、産まないを決断した家族。 出産ジャーナリストの河合蘭さんが、親の声に耳を傾けて綴る連載「出生前診断と母たち」。15回目を迎えるこの連載は、出生前診断の本質を、妊婦の立場から問い続けてきた。 今回は、胎児にダウン症があると知る体験が2回も続き、それぞれに違う道を選び取ったご夫婦に貴重な体験を語っていただいた。 樋口好美さん・貴彦さん夫婦 は、2人の子どもを育てている。下の楓季(ふうき)くんは