暮らしぶりを表す指標として知られる 「エンゲル係数」 。家計の消費のうち食費の割合を示すものです。戦後、日本の経済成長に伴って暮らしが豊かになり、エンゲル係数は下がり続けてきました。しかし、ここ数年、上昇が続き、 去年は、およそ30年ぶりの高い水準に なりました。なぜエンゲル係数は上昇しているのでしょうか?(経済部・楠谷遼) エンゲル係数は、食費を削ることには限界があるとして、係数が高いほど生活が苦しい状態を示すといわれます。エンゲル係数の推移を見てみると、終戦直後は60%を超えていましたが、その後、日本の経済成長にあわせて下がり続け、1992年に25%を割ってからは、20%台前半で推移していました。ところが、この4年間は上昇を続けていて、去年の平均は25.8%と、昭和62年以来、29年ぶりの高い水準になりました。 エンゲル係数が上昇している要因として挙げられるのは、食品価格の上昇です。