過去を真摯(しんし)に直視し、教訓を得るに当たり、客観的かつ建設的に歴史を調べることは欠かせない作業であると言えよう。それでは、関連する記録がない場合はどうするか。体験者の証言が極めて重要な意味を持つのは当然であろう。 従軍慰安婦問題をめぐり、安倍晋三政権が、旧日本軍の関与と強制性を認めた「河野洋平官房長官談話」の作成経緯の検証に乗り出した。菅義偉官房長官の下に有識者数人によるチームを新設する。 検証のきっかけは、談話を発表した1993年当時の官房副長官・石原信雄氏の2月20日の衆院予算委員会での発言だった。談話の根拠となった元慰安婦の証言について「裏付け調査はしなかった」とした。 検証チームは、証言の裏付けの有無や信ぴょう性の判断などについて調査するとみられる。 安倍政権は河野談話を踏襲する姿勢を公式に表明している。だが首相の本音が違うことは、これまでの言動から浮き彫りになってい
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