東京・歌舞伎町の診療所で一昨年、性同一性障害の横浜市の女性(21)が乳房を取り除く手術を受けて死亡した問題で、執刀した女性院長(37)が昨年12月に自殺したことが、警視庁への取材でわかった。捜査1課は1月、院長を業務上過失致死容疑で容疑者死亡のまま書類送検した。 1課によると、女性は2012年5月30日、性転換のため乳房を除去する手術中に意識不明になり、搬送先の別の病院で亡くなった。院長は脈拍や血圧をモニターする機器を使わずに手術をした結果、容体の急変に気付かず、硬膜外麻酔の合併症の呼吸不全で死亡させた疑いがある。 院長は事情聴取に「きちんと手術した」と容疑を否認。昨年12月に岡山県の自宅で自殺しているのが見つかったという。東京地検は不起訴にした。 診療所には12年7月、新宿区保健所が「衛生管理に問題がある」と改善を指導。同10月に廃止届が出された。