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ブックマーク / brevis.exblog.jp (25)

  • 学ぶ人になりたいか、真似る人になりたいか | タイム・コンサルタントの日誌から

    先週の10月21日(金)に、わたしが主査を務めるプロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会(長いから以後はP&PA研究部会と略そう)で、「プロジェクト・マネジメント教育への新しいアプローチ」と題する報告を行った。P&PA研究部会では数ヶ月前から有志6名が集まって、(仮称)PM教育分科会をつくり、ディスカッションしてきた。その中間発表と、会員同士の意見交換が当日の主な内容だった。 「新しいアプローチ」とはどういう意味か? それは「教えない」ことだ。いや、より正確には「教えすぎない」ことというべきか。わたし達は、教育とは「正解の知識」を伝授することではない 、と考える。マネジメントという行為は、ほとんどの場合、正解のない問いに答えて決断していかなければならない。なぜ正解がないかというと、どのような意思決定であれ、それがプロジェクトにもたらす結果には不確実性がつきまとうこと、また複数の価値基準

    学ぶ人になりたいか、真似る人になりたいか | タイム・コンサルタントの日誌から
    bawsin
    bawsin 2016/10/30
  • プロジェクト・コミュニケーションのベーシック 〜 情報のトレーサビリティを確立する | タイム・コンサルタントの日誌から

    英語のCommunication と、日語の「コミュニケーション」という言葉には、微妙なニュアンスの違いがある。わたし達が会話で「コミュニケーションが良くなった」などと語る場合、ふつうは双方向の意思疎通を意味している。「前の課長は向こうが一方的に命令してくるだけだったが、今度の課長はちゃんとコミュニケーションができるよな」という風に。もっと柔らかい言い方をすれば、『ふれあい』みたいな、感情面での同調というニュアンスを含む。 ところが英語のCommunicationは、原則として情報の伝達を意味している。それは、たとえ一方向でも成立する。だから、TV局が電波で大勢に向けて一方的に情報を発信する様な仕組みを、英語ではMass Communicationとよぶ。これは日語でマス・コミュニケーションとなり、いつものように発音しやすい4文字言葉化して「マスコミ」になった(口頭では、コミュニケーシ

    プロジェクト・コミュニケーションのベーシック 〜 情報のトレーサビリティを確立する | タイム・コンサルタントの日誌から
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    bawsin 2016/09/25
  • B2B企業にイノベーティブなITは可能か | タイム・コンサルタントの日誌から

    あなたは、ある中堅SIerの開発部長だ。会社は受託システム開発をなりわいとしており、有名ではないが堅実な経営を続けている。そんなあなたはある時、突然社長に呼ばれて、こう言い渡される。 「君には明日から、わが社のCIOになってもらいたい。これまで外の顧客の仕事をずっとしてもらってきたが、明日からは経営者の一員として、わが社の情報システムを見てもらうつもりだ。紺屋の白袴じゃないが、我々の社内IT利用は、十分とは言えない。君には是非とも、これまでの外販の経験を活かして、イノベーティブなITの仕組みを作ってもらいたい。単なる業務の効率化だけではなく、新しいビジネスを生み出せるようなITの仕組みを、だ。」 経営者の一員、すなわち役員に抜擢された訳だ。とても誇らしい気持ちになる。しかし社長室を出て自分の席に戻ると、あなたはだんだんと大変な役回りを引き受けたらしいことに、気づき始める。わが社にとってイノ

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    bawsin 2016/09/19
  • マネジメントの仕事・地位・パワーを混同してはいけない | タイム・コンサルタントの日誌から

    ある朝、目が覚めると、あなたはノルウェー国王になっていた。いったいどうしてこんな事になったのか。あなたは自分の名前も、生まれ育った日の町も経歴も、全部ちゃんと覚えている。なのに、ノルウェー国王になったつい最近のいきさつだけは、すっぽりと記憶から落ちている。 呆然としながらも身支度を終え、質素ながらも立派な朝べて人心地ついたあなたの前に、宰相がやってくる。彼は礼儀正しくあなたに挨拶をすると、いくつかの紙の束を取り出して、あなたの前に置く。「国王陛下。これが日、発布いただきたい法律と政令です。どうか、ご署名ください。」 念のために言っておくと、北欧の国ノルウェーは、完全な民主主義国家である。法律は国民の選出した議員が国会で決める。だが、すべての法令は、国王の名前で公布するしきたりになっているときく。宰相があなたにサインを求めてきたのは、そのためである。あなたの前には、法令書類一式と、

    マネジメントの仕事・地位・パワーを混同してはいけない | タイム・コンサルタントの日誌から
  • トラブルには技術的原因と、マネジメント的原因がある | タイム・コンサルタントの日誌から

    トラブルの原因分析について、このところ2回にわたって考えてきた(「熱気球の浮上、または原因分析のシステムズ・アプローチについて」・「経験から学びすぎることの危険 ~ゆらぎある事象の原因分析について」 )。原因分析の手法にこだわっているのは、それが「学び」と「成長」の鍵だからである。自らの能力を向上させ、成長するためには、仕事の結果(成果)から学ぶべきだと、わたしは信じている。個人も、組織集団も、である。 仕事の結果としてトラブルが生じたら、そこから素直に学ぶ。成功からも学べるが、失敗から学ぶ方が、記憶に強く残るからだ。そして(当然ながら)すべてに成功できる人なんていない。あの田宗一郎だって、「自分は失敗ばかりしていた」と言っているくらいだ。他人から見たら成功でも、自分ではそこに足りない点を見る、というのがこの経営者の卓越した点だったのだろう。 さて、繰り返すが、『根原因』Root Ca

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    bawsin 2016/07/10
  • なぜなぜ分析は、危険だ | タイム・コンサルタントの日誌から

    「なぜなぜ分析」は、品質管理や労働安全管理などの分野で、よく用いられる手法だ。発生した問題事象の根原因を探るために、「なぜ?」「なぜ?」とくりかえして掘り下げていく。この問いかけを“5回はくりかえせ”と、よく指導しているため、別名「なぜなぜ5回」とも呼ばれる。元々、トヨタが発祥の地であり、トヨタ生産方式の普及とともに、他の業界や分野でも使われるようになった。 図は、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏の著書から一例をとって、図示したものだ。工場内のある生産機械が故障してとまったとき、「なぜ機械は止まったか?」の問いに、「オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ」と答えただけでは、じゃあヒューズを交換して再起動すればいい、という答えしか出てこない。 しかし、なぜオーバーロードがかかったのか?→ (2)軸受部の潤滑が十分でないからだ、とほりさげ、 さらに (3)潤滑ポンプが十分組

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    bawsin 2016/05/26
  • 生産管理という仕事の目的は何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    以前、このサイトの読者の方から質問をいただいたことがある。「生産管理とはそもそもどういう仕事でしょうか?」という主旨だった。この方は製造現場から生産管理へ異動になった際に、仕事の全体像や目的をきちんと考えたく思い、屋やネットを探して、わたしのサイトの「生産管理とはどういう仕事か」http://brevis.exblog.jp/7709373/ という記事にたどりついたのだそうだ。 上記の記事で、わたしは「生産管理とはあくまでサポーターであり雑用係といえる」と書いた。だが、この答えでは今ひとつ納得しきれない気持ちがあって、メールいただいたという次第だ。この記事は2008年4月、つまり今から8年も前に書いたものだが、いまだにそれなりのアクセス数がある。ということは、こうした問題を考えあぐねている人は、世の中にけっこう多いのだろう。 ただこの記事は、「サポーター、雑用係とはあんまりな言い方」と

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    bawsin 2016/05/11
  • わたしが花粉症の薬を飲まずにすむようになった、1日3分の簡単な習慣 | タイム・コンサルタントの日誌から

    今年は暖冬だったせいか、早くから花粉症がひどい、という声をよく聞く。さすがに4月に入ってピークは過ぎたと思うが、人によっては連休の頃までつらい思いをしている。わたしも例年そうだった。 ところで、今年に限って、わたしは1回も花粉症のアレルギー薬を飲んでいない。 昨年までは花粉症の季節が近づくと、耳鼻科医院にかかって薬をもらうのが常だった。わたしの場合、涙や鼻づまりもあるが、一番こまる症状は頭痛だった。だいたい昼頃からぼんやりと頭痛の予感が始まって、午後から夜まで続く。偏頭痛と違って、頭の深部ではなく表層に近いところが締め付けられるように痛むのだ。目も疲れる。おかげで半日、仕事にならなくなる。そうした症状は春だけでなく、秋にもアレルギー気味になる時期が短いけれどもあって、その時にも飲んでいた。薬箱を見ると何種類もためした跡が少しずつ残っている。エバステルとかエピナスチンとか。最後に飲んでいたの

    わたしが花粉症の薬を飲まずにすむようになった、1日3分の簡単な習慣 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • PMPの資格はほんとうに仕事の役に立つのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    昨年、勤務先でPMIの来訪を受け、同僚と共にインタビューに応じた。目的は日におけるPMP資格取得の動向を探ることで、相手はいかにも頭の良さそうな30代の米国人であった。名刺を見ると、PhD、つまり博士号保有者であるむね書かれている。むろんPhDのほかにPMPも資格として名前の後ろに書かれている。 今さら説明するまでもないが、PMIはProject Management Instituteの略で、米国発で世界最大のグローバルPM団体である。日にも支部はあるが、米国の部が、世界中の数十万人の会員を統括している。PMIは元々1960年代に、プロジェクト・マネジメントに携わる人々が、PMという仕事もプロフェッショナル専門職として世に認めてほしい、との願いをもって結成された組織だ。現在のPMIは、通称『PMBOK Guide』(R)、正式には"A Guide to Project Manage

    PMPの資格はほんとうに仕事の役に立つのか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • とれるだけ仕事をとってはいけない : タイム・コンサルタントの日誌から

    最初に、損益分岐点の説明からはじめよう。企業は、製品やサービスを売って売上を得る。しかし、世の中にタダの物はないので、そこには必ず費用(原価)が発生する。その費用が製品の販売数量に単純に比例する場合、企業は売上に比例した利益を得ることになる。この関係を図(a)に示す。横軸は、売上である。工場の視点から言うと、売上向上すなわち稼働率向上を意味するから、横軸は稼働率と見てもよい。縦軸は金額で、実線が売上高を、点線が費用を示す。費用は純粋に、売上高に比例する。これを変動費ともいう。売上に伴って、変動するからである。たとえば製品を作るのに必要な原材料の購入費がそうだ。あるいは、製品を加工するための外注費などもそうだ。 ところが、企業にはこれとは別に、売上高にまったく関係なく、固定的に発生する費用がふつうある。これを固定費という。その典型例は、設備機械の減価償却費である。あるいは、従業員の給料なども

    とれるだけ仕事をとってはいけない : タイム・コンサルタントの日誌から
  • 大企業病の作り方、治し方 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「自分は『プロジェクト・マネージャー』というほどの者ではなく、『プロジェクト・チームのリーダー』といった役柄です。」——顧客とのチーム・ビルディングの席上で、相手方のトップの米国人はそう語った。聞いていたTさんは、単に謙遜しているのだと思ったそうである。時は'90年代。今ではベテラン・エンジニアのTさんが、やっと担当者レベルを卒業し、小さな1セクションのサブチーフ職に片足をかけた頃のことだ。バブル崩壊で国内市場は低迷し、Tさんの会社がようやく久しぶりに欧米企業から受注できた海外向けビッグ・プロジェクトだったという。Tさん自身も高揚する気持ちをおさえつつ、顧客とのチーム・ビルディングに参加していた。 その顧客はチーム作りのセッションを大切にしていた。彼らは発注者として、かなりの数のチーム・メンバーを、設計期間中にTさんの会社に駐在員として送り込んでくる。無論、Tさんの側も精鋭を結集して、受注

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    bawsin
    bawsin 2014/05/12
  • ハイボールと、本質的安全設計の教え | タイム・コンサルタントの日誌から

    質的安全設計』という言葉を聞いたことがあるだろうか。世間ではよく安全とか安心とかいったことを話題にするが、安全の意味をつきつめて考えている人は、必ずしも多くない。質的な安全設計とは、われわれがモノや仕組み(システム)を作る上で、欠くことのできない概念である。今日はこれについて少し述べてみたい。 機械の安全設計については、そのものずばり「機械類の安全性―基概念,設計のための一般原則」という名前の国際規格 ISO12100 が存在する。このISO規格によれば、機械類の安全は、『設計者対応』と『操作者対応』に分けられる。つまり、作る側による配慮と、使う側(消費者・操作者)による注意の、両方がいるというわけだ。ここまではいいだろう。 では、肝心の作る側(設計者)の対応は、どのように行うべきか。ISO12100は、 (1)質的安全設計によるリスクの低減 (2)安全防護によるリスクの低減 (

    ハイボールと、本質的安全設計の教え | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 組織におけるルールはいかなる機能を持っているのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    今からちょうど800年前の1214年のこと。英国王Johnはフランス南西部から海軍船に乗ってブリテン島に向かっていた。当時、英国は大陸土のフランス側にも領地を保有しており、彼はそれを拡大する野心を抱いて大陸に兵を進めたのだが、あいにくフランス王(当時は領地は小さかった)の反撃に屈し、結局撤退を余儀無くされたのだ。ようやく帰り着いた彼を待っていたのは、貴族諸侯やロンドン市民からの批判の嵐だった。すでに大陸の領地はほとんど失われていた。残ったのは不名誉と、傾いた財政である。税金を課そうにも、彼の重税や放埓は、すでに皆が辟易していたのだ。 結局彼は翌年、臣下である貴族諸侯と、ある取り決めをかわし、文書化する。いわく、 * 王の一存では戦争資金のための税金を集めることができません * 国王は議会を召集しなければなりません * イングランドの国民は法と裁判によらなければ、生命や財産の自由をおかされ

    組織におけるルールはいかなる機能を持っているのか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • クリスマス・メッセージ:折れない心をもつために : タイム・コンサルタントの日誌から

    Merry Christmas! 5年前から、大学でプロジェクト・マネジメントを教えるようになった。今年の前期は東大の大学院で、また後期は法政の学部3年生に教えてきた。それ以外にも、単発的に依頼されて話した事もある。個別のエピソードについては、すでに何度か書いたと思う。しかし全体として、何をどんな風に教えるべきか、いつも悩ましい。 悩む最大の理由は、大学生・院生が実務の経験をほとんど持たない事だ。共同で事に当たることがなければ、プロジェクト・マネジメントの必要性がピンと来ない。また、授業で例題を考えるにしても、ビジネスに関わるケースを採り上げづらい。だからいきおい、「たとえば、あなたが同期30人の集まるパーティの幹事になったとしよう」といった例になってしまう。 それでも、講義を数回聴いた学生は、しだいにその意義が分かる者が出てくる。アンケート用紙にも、「もっと早くからこういう話が聞きたかっ

    クリスマス・メッセージ:折れない心をもつために : タイム・コンサルタントの日誌から
  • 担当者が問題状況に陥ったら、プロマネがカバーに入るべきか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    プロジェクト・マネジメントの講義で、学生に進捗管理について教えていた時のことだ。進捗とは、これまで消化した予算の比率で計ってはいけない。「あとどれくらい仕事が残っているか」で計るべきものである。いつもの持論を、わたしは説いた。進捗管理の最大の目的は、“仕事はいつ終わるのか、あとどれくらいのコストで終わるのか”を予測することにあるからだ。 マラソンにたとえるなら、スタート地点からゴール地点まで約42kmあるが、そのちょうど中間、折り返し点のマイルストーンがある。ここに到達した人は、それまでまっすぐ走ってこようと、多少脇道にそれて余計な距離を走った人も、あるいは道に迷ってさんざん遠回りした人も、等しく進捗率50%だ。なぜなら、残りの距離は誰にとっても同じ21kmなのだから。もしも、仕事の進捗を問われて、「これまで自分はどれだけ努力したか」を答える人がいるならば、その人は進捗の意味を誤解している

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    bawsin 2013/11/28
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  • 生産革新のためのBOM(部品表)再構築入門(1) | タイム・コンサルタントの日誌から

    数年前、三菱電機から依頼を受けて、「e-F@ctory」という同社のWebサイトに、BOM(部品表)に関する文章を書いた。今はそのurlはリンク切れになっており、同社のサイトを検索しても見つからない。サイトのリフォームにともない、この種の一般解説的文章は削除されたのだろう。そこで、当時の文章を、一部ブラッシュアップして、ここに再掲することにする。内容的に、とくに古くなってしまった部分も見あたらないと思う。製造業におけるBOM(部品表)の構築と改善は、いつでも古くて新しい課題なのである。なお、ここでは分量の関係で2回に分けて掲載する。 <今、なぜBOMが問題なのか> 不況の長いトンネルを抜けて、いま日の製造業は元気を取り戻しつつある。そして多くの企業で、この機会に生産全体のあり方を見直したい、という気運が高まっているようだ。 製造業とは、物品(マテリアル)を産出・加工し、付加価値をつけて販

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    bawsin 2013/11/05
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  • なぜ事実と意見を区別して話すべきなのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    今回は、論理と共感という、説明のための二つの方法について書く。わたし達が他人に向かって、その人の受け入れにくいようなこと、あるいは、やや信じがたいことなどを説明し、理解してもらわなければならないシチュエーションは、しばしばある。『交渉』はその典型で、相手にとって不都合なことを説明し、理解してもらい、合意してもらう必要がある。マネジメントの仕事では、交渉能力は不可欠である。ただ、これが苦手だという人は、(わたし自身を含めて)とても多い。説明は交渉の基礎である。そこで、上手な説明ためには、どういう方法があるか、それを今回は考えてみたい。 たとえば、次のような会話を考えてみよう。 「中東の社会って、女性の地位が低いのよ。」 「当かい。たとえば?」 「サウジアラビアじゃ、女性は車の運転さえ禁止されているのよ!」 「でもサウジでは、高級車レクサスの所有者の6割は女性だそうだよ。」 (念のため一応、

    なぜ事実と意見を区別して話すべきなのか | タイム・コンサルタントの日誌から
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    bawsin 2013/10/23
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  • 稀な危機 vs ありふれた失敗-リスク対策の優先順位を考える | タイム・コンサルタントの日誌から

    ジェッダから紅海に沿って北に向かう道を、わたし達は走っていた。空港で入国審査に手こずり、思った以上に時間がかかって遅れている。ドバイからジェッダに飛行するよりも長い時間を、パスポートコントロール窓口の行列に費やしてしまったのである。現場事務所に着いたら、「自分のスケジュール・リスクはマネージできないようですね」と皮肉を言われかねない。わたし達は、プロジェクトのリスク・アセスメントのセッションを開催するために、現地に向かっていたからである。おまけに、プロジェクトにおけるわたしの主な守備範囲は、スケジューリングとリスク・アナリシスであった。それが打合せに半日も遅れたんじゃ、面目丸つぶれである。 もっとも、同行している某国営石油会社のエンジニアにしてみれば、これは十分予見できたことらしい。彼の会社では、移動日には会議を入れるな、という内規があるという。飛行機の移動にはおもわぬ出来事がつきものだし

    稀な危機 vs ありふれた失敗-リスク対策の優先順位を考える | タイム・コンサルタントの日誌から
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    bawsin 2013/10/15
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  • チーフデザイナーとプロジェクトマネージャ、どちらが上に立つべきか | タイム・コンサルタントの日誌から

    宮崎駿の映画「風立ちぬ」は、ゼロ戦の設計者・堀越二郎を題材にした物語だ。堀越は実在の人物だが、映画全体は評伝ではなく、フィクションの色彩が強い。とはいえ、物語は主人公・二郎による新型飛行機の設計を軸として展開していき、その部分は比較的史実に近い。だから、一種の製品開発プロジェクトのストーリーとしても、見ることができる。その中における主人公の職務上のポジションは、「設計主任」だ。設計主任とは何か、その役割は開発プロジェクトプロジェクト・マネージャーとは何が違うのか。そんなことを、今回は考えてみたい。 設計主任に対応する英語はいくつかありうるが、チーフ・デザイナーあたりが最も一般的だろう。ところで、チーフ・デザイナーというと、もう一つ思い出すストーリーがある。ハインラインの「月を売った男」だ。これは月世界旅行の夢にとりつかれた主人公ハリマンが、月ロケットを完成させるまでの物語である。小説が書

    チーフデザイナーとプロジェクトマネージャ、どちらが上に立つべきか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • ITエンジニアの『生産性』と、データ・サイエンスの微妙な関係 | タイム・コンサルタントの日誌から

    ある、社外の人との集まりに顔を出した時のこと。IT分野の経験を積んだ人が多く、みな一家言持っておられる。わたしは昨年後半から、久しぶりに社内のIT関連業務を見るセクションに移ったばかりなので、最近の事情に疎い。なるべく拝聴する側に回ることにした。話は業界の技術トレンドから、クラウドやビッグデータといった最新のバズワードに向かい、日IT業界の現状をなげく論調にうつった。日を代表する大手SIerたちの低空飛行ぶり、技術的イノベーションの不足、そして多重下請に象徴される業界の構造的問題。追い打ちをかけるように、オフショアとの競合による単価の下落。なんだか、あんまりエンカレッジされるような話題が出てこない。 --だとすると、日のSI業界というのは将来性があるのでしょうか? わたしは思い切って、直球ど真ん中の質問をなげてみた。しかし返ってきたのは、苦笑いするように首を横に振る姿ばかり。 「情

    ITエンジニアの『生産性』と、データ・サイエンスの微妙な関係 | タイム・コンサルタントの日誌から