ランドセルの話が出るたびに、もやもやする。ランドセルという製品そのものについてではない。いや、用途によってはいいものだろう。弾薬を運ぶとか、そういう物騒な話でなくとも、あのカチッとした形状がフィットする用途はあるだろうし、持つ人が持てばオシャレにも見える。ああいったカバンが世の中に存在することについて、何一つ文句をいうつもりはない。 ただ、個人的にはランドセルにいい思い出がない。というのは、半世紀も前の古い話なのだけれど、自分自身が小学生だったころ、まだ品物がよくなかったためなのか、たぶん小学3年生のどこかであっさりと壊れてしまったからだ。壊れたのが残念だったのではない。壊れたあと、もっと軽い布のカバンで登校して、それが快適だったことが自分の印象に強い。たぶん当時のランドセルなんてみんな同じように耐久性が低かったのだろう、高学年になるとみんな思い思いのカバンで登校していた。そういうもんだと