熊本県宇城(うき)市にある京都大野生動物研究センターの研究施設で、チンパンジーと並んで人間に最も近い動物とされるボノボ4頭の飼育が始まり、3日、報道陣に公開された。国内で初めて、タッチパネルを使って数字を記憶させたり、視線を計測したりする飼育研究をするが、一般には公開されない。 18歳のオス1頭と、22~31歳のメス3頭。センターによると、野生のボノボはアフリカ・コンゴの熱帯雨林に生息し、絶滅危惧種に指定されている。4頭はアメリカから輸入した。日本では1996年まで日本モンキーセンター(愛知)で1頭が飼育されたことがある。 チンパンジーはオス優位の群れを作るが、ボノボはメス優位の社会を築く。平田聡教授は「人間の本性の起源を探りたい。人間社会の平和共存を実現する指針を得られると考えている」と話している。