前職のときの同僚がホンダ出身で、その彼からホンダについていろいろ聞くうちに、社風に惚れて入社するような会社が、この世にはあるんだということを知った。 ホンダの創業者は本田宗一郎で、1991年に亡くなっている。その同僚と知り合ったのは本田宗一郎の亡くなった後のことだが、ホンダという会社は創業者が一代でたたき上げて巨大にした会社という印象が強く残った。
我々は人の性格を言うときによく「きちょうめんか大雑把か」「ポジティブかネガティブか」「社交的か内向的か」といったものさしを使ったりする。そしてだいたいは本人のいないところで話がされていたりする。遠慮しないでその人の品定めを楽しむことができるからだ。 結局、周りの人のほうが自分より自分の性格を捉えていて、自分のことはよく分からないことが多い。たいていは自分のことを甘めに見積もっている。周囲と自分の評価のずれもまた、面白い話題になる(笑)
未来は決まるのではなく決めるものである、とはよく言われる。精神論としてはその通りだと思うが、真実は「未来は決まるものであり決めるものでもある」だと思う。 未来に対する態度のことで、自分は確か小学生の3年生頃に先生と激しく対立したことがあった。自分は「宿命」という言葉を使ったことを鮮明に覚えている。先生は「未来は自分が決めるもの」ということを道徳として教えようとしていたのだが、私が「未来は宿命です。最初から決まっている。」と反論したことで授業をしらけさせてしまった。クラスのみんなからも嫌な奴を見るような視線を感じたことを今でも憶えている。 宿命という言葉は先生の意図に反する響きがあったようだが、(運命を)宿すとあるように未来を決める素質は自分自身が持っていることを言っているので、「自分が未来を決める」ことを否定しているわけではない。未来が宿命だというのは、「決まるものであり決めるものである」
世界のグローバル化はどこまで進のだろうかとふと思う。自分は独立してからずっと国内の仕事ばかりするようになって海外の仕事に近づく機会がほとんどない。しかしメディアを介して海外の情報は入ってくるので、グローバル化の流れは止まらない現象のように思えてくる。 グローバル化という言葉が一人歩きしはじめたような感覚があるというのはおそらくそれを動かしている前提や結果として起きている問題がよく見えなくなっているからだろう。 静かなる大恐慌 (集英社新書) 柴山桂太 (著) 本書はグローバル化の大前提として資本主義であることを置いている。この前提がシンプルである故に話の筋が分かりやすい。 ざっと次のようなストーリーラインで読めば大意はつかめると思う。 資本主義体制の下でのグローバル化は社会や経済を不安定化させやすい。 さてこの資本主義とは何か。そして資本主義の問題とは何か。 不安定化した社会・経済は自然に
そのCERNが今回発見したとしてニュースになったのは、「ヒッグス」と呼ばれる、17番目、つまり最後の素粒子だ。ヒッグスは他の素粒子に質量を与える作用を及ぼす素粒子。だから質量の起源の素粒子と言われたりする。質量は、物理の授業で習ったように、モノの物理的な量を表す概念の1つ。当たり前を言うようで恐縮だが、我々はこの質量という概念を、地球の重力のおかげでモノの重さとして知覚している。ヒッグスが作り出しているのは、その重さの元となっている質量のほうだ。なんかややこしいが。 著者の竹内薫(たけうちかおる)さんは、サイエンスゼロの解説などでも有名な、サイエンス作家。竹内さんは科学が分からない人の目線で解説しようとしてくれるので、「なんとなく興味はあるけど敷居が高くて、、、」という人にとってはありがたい。私もその一人だ。しかし本当のターゲットは序章で「中学生や高校生にも分かるように」とあるように、もっ
経営トップやリーダーのサクセスストーリーを描いた本は多いが、本当にわたしたちを奮い立たせるのは成功への憧れや成功の背景にある才能や努力、、、などの模範的側面だけではない。さらにその背景にはハンディキャップの認識や屈折した感情すら隠れていたりする。いや、むしろそれこそ見てみたいものだ。そこにリアリティを感じるからだ。 ━━成功要因の本質は強みにあるのではなく、弱みを自覚することにある。ある意味、弱みを感じやすい感度は大切だともいえる。ナイーブな問題は由来をきちんと聞かなければ聞き出せないもの。本に著されたものになかなかお目にかかれない理由もそこにあるのか。 知り合いから頼まれて、自己の弱みやハンデの克服を原点にして成功したトップやリーダーの書籍を紹介してほしいと言われのたで、思い当たるものを挙げてみた。せっかくなので、ここにも紹介しておきたい。 一勝九敗 柳井 正(著) ユニクロ(ファースト
アップル、アマゾン、グーグルの競争戦略 雨宮寛二 (著) 、NTT出版から 本書はそんなこの3社が成長した要因を明かしてくれている。3社それぞれの経営理念と事業戦略がケーススタディとして詳しく整理されており、1冊で知ることができるので効率が良い。また3社はドメインの違う会社なので、IT業界のこれまでのメインストリームを総括する点でも大変参考になる。 著者の言葉を要約すると3社の偉業はこんな具合になろう。 アップルは、機能性や操作性、デザイン性に優れた製品を開発し、価格競争から一線を画した経験価値を生み出してきた。 アマゾンは、リアルとネットを上手く補完させながら、人々の情報の流通やアクセスに革命をもたらした。 グーグルは、インターネットを熟知し、高度な技術を駆使してスケーラブルな情報基盤を創造した。 ## 飛躍を恐れず言えば、この3社のドメインを再構成すれば、世界にとってこれからのフロンテ
イノベーションを奨励している会社は多いと思うが、実践することは難しい。実践するにはコンピテンシー(能力)の問題が立ちはだかる。つまり「どうすればできるようになるのか?」という問題だ。 例えばアップルがiPodを出してポータブル音楽プレーヤー市場を席巻したことは有名だが、「どうやってiPodという製品を市場に出したか」を知ってもあまり参考にならない。アップルが成し遂げたイノベーションは、アップルだからこそ成し得たものであって、アップルという主語を抜きにした分析をしても意味がないということだ。 だからイノベーションの実践論においては「どうすれば(アップルのように)できるようになるのか?」が重要な問題となる。 イノベーションのDNA ~破壊的イノベータの5つのスキル~ クレイトン・クリステンセン(著)、ジェフリー・ダイアー(著)、ハル・グレガーセン(著)、櫻井祐子(翻訳) 本書はイノベーションを
今日はブックスタンドを作成した。 もう少しテンポ良く本を読めないかと考えていたところ「ブックスタンドがあるといいんじゃないか」と思いつき、それで作ることにした。 姿勢への負担を減らすアプローチから入ろうということであって、読むスピードがこれで上がるわけではない。 ブックスタンド表側 背板のサイズは320ミリ×220ミリ 傾きは45度 2012/01/29製作 所要時間は約4時間(11時~15時) 実は作った後に既製品が売られているのに気付いた。 1,000円そこそこで売られているので手作りした甲斐が無いじゃないかとガッカリしつつも同じような仕掛けになっているのは嬉しかった。 とにかく思い立ったが吉日。作りたくなった気持ちが急いて作り始めていた。 いつも人には「作り始める前に類似品が無いか調べましょう」と言っているくせに自分を抑えるのは難しいと今さらながら思う。 ## この後は作品を紹介しま
企業の今流行の戦略といえばグローバル化やサービス化などが筆頭に上がるだろう。様々な企業トップの年頭あいさつを見ても、そのあたりのキーワードが入っている感じがする。 分かりやすい方向性だと思うが、変わらなければならないという切迫感に比べて何か大事なパーツが足りていない気がする。1つ挙げるとすれば、企業の「メディア化」戦略だろう。 メディア化は企業にとって新種のコンピテンシーだ。──古き良き時代の繁栄を味わった経営者には、ここが非常に認識しづらいところだろう。 しかし環境適応するには、事業ドメインなどの外形的な変化も大事だが、コンピテンシーの補強も必要。コンピテンシーの変化を遂げなければ戦略は完遂できない。ソーシャルメディアが普及する潮流をカベの向こうで起きている出来事だと見過ごしていやしないだろうか? この探していたパーツを小林弘人さんが近著で見事に言い当ててくれた。 メディア化する企業はな
フェイスブックがプライバシーのデフォルト設定を勝手に変えたことが何度か問題になったが、これが私たちに「プライバシーとは?」を考えるきっかけをつくってくれた。 また逆に「パブリックであることとは?」についても考えるようになってきているのではないか。もちろん個人にとってパブリックの意味についてだ。フェイスブックが巻き起こした問題とつきあいながら、私たちは結局、CEOマークザッカーバーグの思い描いく世界──プライベートとパブリックが再定義された世界──に引きずり込まれていくのだろうか? フェイスブックを利用している人なら一度は考えたことのありそうな、身近な問題意識だ。 今回は最近ジェフ・ジャービス氏が著した『パブリック』が、個人にとってパブリックの意味を掘り下げて考えさせてくれるので紹介したい。 パブリック―開かれたネットの価値を最大化せよ ジェフ・ジャービス(著), 小林弘人(監修・解説),
1册の本をネタにSWOT分析をしてみたいっ! 勝手ながらそんなことをやってみたくて先日勉強会を開いた。 お題は──「減速思考」を読んで創造的な時間を取り戻そう── 集まったのは業種、職種のさまざまなビジネスパーソン5人。私含めて6人。 もちろん分析だけで終わりじゃない。私自身、分析を通して未来につながる答を見つけたいという気合いは満々。集まった方もその類の人たちばかり。 みんな事前に『減速思考』(リチャード・ワトソン著)を読んで要因抽出までは済ませているから行けるだろうと思ったが、2時間の予定は結構きつかった。結局後ろに30分食い込み、参加者に迷惑をかけてしまった(懇親会の時間を減らしてしまった)。ゴメンナサイ! ## これ↓が抽出したSWOTの要因(脅威と強みだけ)のアウトプット。 入れ替わり発表しあって、ホワイトボードでシェア。 アウトプットはこれ以外に、クロス分析も作成したが(これが
イノベーションとは何かについて誰もが何らか意見を持っているが、実践は難しい。 要件として理解できていても既存のフレームと衝突してしまうからだ。ビジネスの場合でいえば共食いのようなことが起きるから、実践しようとすると難しいことになる。 フレームとは文字通り「枠組み」のことで、要件の集合みたいなものと思えばいい。 例えば携帯電話のような製品の場合、価格と技術的スペックの組合せでものを見る人と、価格と体験的価値の組合せでものを見る人とではめざすものが異なり、一緒に開発を進めることが難しくなる。だから、あるフレームが常識になっている人たちに対して新しいフレームを提案しても、受け入れられず挫折してしまう。 したがって、「空気を読めない」のを天然で演じられる人は貴重な存在だ。 精神疾患の一つ、アスペルガー症候群は人間関係の形成に障害を来すと言われているが、まれに天才──「空気を読まない」ので他人とフレ
私が主催しているプランテックルーム【勉強会】のご案内です。 残席があと3席ございますので、よろしければぜひどうぞ。 以下は概略となります。 詳細および申込はフェイスブックページにてお願いいたします。 ◆勉強会イベント 『減速思考』を読んで創造的な時間を取り戻そう さて私たち現代人が処理している情報量は50年前の3倍に増えているそうです。ネットやとりわけソーシャルメディアの普及によって今後もこの増加傾向は続くでしょう。 この情報量の多さが仕事や生活を非常に忙しいものにしており、結果的に深い思考作業が難しくなってきています。 ここでは、課題図書に取り上げられた諸々の情報に基づいて、私たちの置かれた脅威(存亡につながる環境面の変化)と私たちの持っている強みを抽出し、それらを踏まえてどう適応していくべきかについて考えたいと思います。 <日時>11月24日(木) 19:00~21:00 勉強会(無料
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