Published 2018/05/29 09:29 (JST) Updated 2018/12/10 15:21 (JST) 長崎県出身の被爆2世、森成人さん(63)=東京都江戸川区在住=が、父と叔母の被爆体験に基づいた小説「漆黒の月-長崎原爆投下からの九日間-」(さんこう社)を自費出版し、県内全ての県立高校、公共図書館・図書室計237カ所に寄贈した。森さんは「若い世代に被爆の実相を語り継いでいきたい」と話す。 「漆黒の月」は森さんの父・寅雄さんと叔母・タエ子さんが生前書き残した被爆体験を、当時の資料に基づいて脚色した小説。原爆投下時、寅雄さんは長崎日日新聞社員の19歳、タエ子さんは純心高等女学校に通う14歳で、2人とも船津町(現在の恵美須町の一部)の自宅付近(爆心地から約2・8キロ)で被爆した。 作品は被爆直後の「地獄のような」長崎を舞台に、多くのむごい死を目の当たりにしながら生き残る