高橋アキさんの『パルランド:私のピアノ人生』には、演奏会企画についての一文がありました。現代音楽の演奏家として何十年も種々の演奏会に関わってこられただけに、ずっしりと胸に響きます。 仕事の周辺 6 プロジェクト 良い演奏家はたくさんいるし、良い作品もたくさんある。だが、それらがバラバラに自己主張をしてもそこから運動は起こりにくい。そこで良い企画が必要になってくる。 では「良い企画」とは何か。それは「未来への可能性・展望を示すこと」だと思う。たとえ古い時代の作品を演奏するにしても、そこに未来へのプロジェクションがなければ意味がないと思う。 ところで欧米各地で日本の現代音楽を紹介するケースが最近増えてきた。この夏は、私の所属する演奏グループ「サウンド・スペース=アーク」がデンマークの音楽祭に参加することになっている。 このレアケンボー音楽祭は、主催・企画を伯爵の位を持つ女性が一人でやっている。