2002.11.16 「風よ。龍に届いているか」 復刊への長い長い裏話・前編 「風よ。龍に届いているか」の復刊を記念して、著者であるベニー松山がその制作裏話を公開します。 ☆ 実のところ、今回の出版にあたっての入稿用テキストデータは、去年の初秋に完成していた。 その時点では、原稿は3パートに分かれていた。 つまり本書は当初、文庫での出版が予定されていたのである。 予定、という言い方は語弊があるだろう。ゴーサインが出ていたからこそ、テキストをイチから見直す作業に入ったのである。これを出版社に送付したあとは、俺自身の作業はもう校正を待つばかり――そうなるはずであった。 ところが、ここでストップがかかる。理由は、三分冊は出版リスクが高過ぎるというものだった。 「大変面白い作品だと思う。だけど、2/3の文章量に書き直してくれませんか」 そんな要求がきた。 そこで、文庫化の話は