敵は強者 特殊清掃の仕事を遂行する上で立ちはだかる壁としての代表格は、悪臭・腐敗液、そしてウジ・ハエ。常連の読者に今更言うまでもないことだろう。 悪臭は忍耐力と薬剤を駆使して、なんとか押さえ込む。 腐敗液は、脳の思考を停止させて、なんとかきれいにする。 生きたハエは外へ追い出し、死んだハエは塵として処分する(死んだウジも同様)。 問題は生きたウジ! 彼等は一体どこからどうやって発生してくるのか不思議で仕方がない。 一見、密室に見えるような部屋でも、遺体にはウジが湧く。特に、腐乱死体にはほぼ100%の確立でウジがついている。 彼等はどこからやって来て、どうやって死体に湧いてくるのか・・・。 そして、その生命力と繁殖力には凄まじいものがある。 「敵ながら、アッパレ!」だ。 ウジに関する思い出は尽きないくらいあるが、その中でも強烈だった一事例を紹介する。 まだ、「腐乱」とまではいかず、腐敗が始ま