もう一つは静岡茶、狭山茶と並んで日本三大茶と称される宇治茶の産地、宇治地域。中国人の狙いは茶そのものだ。前出の王氏が語る。 「お茶といえば、中国でも日本と同じく緑茶が定番。特に宇治茶や八女茶は中国の富裕層に需要が高まっています。宇治の茶畑を買収して、経営に乗り出す人物が出てもおかしくありません」 今年5月11日には宇治茶の主産地である和束町の茶畑で、日中国交正常化50周年記念植樹なる催しも行われている。これも中国人の宇治茶に対する関心の高さの表れなのだろうか。 コロナ禍が完全に明けた際、京都全体はすっかりチャイナタウンに。そんな驚くべき未来があり得るかもしれない。 『週刊現代』2022年5月28日号より