大河ドラマ「八重の桜」の主人公、山本(新島)八重の兄で会津藩士の山本覚馬(かくま)が日本の将来を見据えて作成した建白書「管見(かんけん)」が記された文献が、東京都の防衛省防衛研究所で保管されていたことが23日までに分かった。管見は新政府、または薩摩藩に提出されたとの通説だったが、直接的に裏付ける資料が見つかっていなかった。研究者は「政府の中枢まで、覚馬の意見が届いていたことが確かめられる貴重な資料」と話している。 管見は1868(慶応4)年の鳥羽伏見の戦いの後、目を患っていた覚馬が幽閉されていた薩摩藩邸で、口述筆記させたとされる建白書。三権分立、代議員制、女子教育の充実など近代国家のあるべき姿を先取りした。覚馬を研究する同志社社史資料センター(京都市)の小枝弘和社史資料調査員は「日本の近代化に向けた意見を、有名な坂本龍馬の船中八策よりも具体的にまとめている」と評価する。小枝調査員によると、