TPP交渉の合意が近づいている。最後の焦点の一つが米であるが、政府は高関税を維持するために、輸入特別枠を検討している。聖域化している高関税の背景には農協が存在する。 *この記事は、Wedge4月号の特集「滅びゆく農協」の第4章を掲載したものです。 TPP交渉の合意が近づいている。自由貿易推進の共和党が多数を占めている連邦議会は、通商交渉権限を政府に譲る貿易促進権限法を、春にも可決しそうである。アメリカ政府としては、いつでも交渉を妥結し、合意文書に署名できる用意が整う。 日本とアメリカの農産物をめぐる協議も、合意に近づいている。日本は、牛肉や豚肉の関税を大幅に削減することに合意した。関税撤廃を強く迫っていたアメリカの豚肉団体が、これを評価したことで、ワシントンでは、日米の交渉はまとまるという見通しになっている。 米について、日本は、関税を維持する代わりに、ミニマム・アクセスといわれる毎年77
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