2020 年 12 月 わが国におけるプライベート・エクイティ・ファンドの可能性 ―アイデアとコミットメントのあるファイナンスへの期待― 日本銀行金融市場局 鷲見 和昭 本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行金融市場局 までご相談ください。 転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。 1 2020 年 12 月 日本銀行金融市場局 鷲見 和昭† わが国におけるプライベート・エクイティ・ファンドの可能性 ―アイデアとコミットメントのあるファイナンスへの期待―* ■要 旨■ わが国企業は、 人口減少の逆風にさらされる中、 グローバル化やデジタル化、 ポストコロナ時代の経済構造変化に適応することが求められている。1990 年代 後半以降、企業は負債の圧縮を進め、自己資本比率を高めてきた。これにより危 機への耐久力を高めた一方、事業改革に資本を有効活用できているか