大阪地裁で審理中の殺人未遂事件の裁判で、無罪を主張する弁護側と検察側が期日間整理手続きを3年半、計54回にわたって続け、この間に事件現場付近の状況を目撃した男性が死亡していたことがわかった。弁護側によると、目撃証言は被告の犯人性を弱める内容で、検察側に何度も証拠開示を求め、その存在が明らかになったという。男性の死亡は弁護側の立証に大きく影響し、同手続きや証拠開示のあり方が議論を呼びそうだ。 殺人未遂罪に問われたのは無職、田尻正慶(まさよし)被告(69)。起訴状では、同居する養父(75)の死亡保険金を得るため、2008年3月4日夜、大阪市旭区の路上で養父を暴行、脳挫傷などの傷害を負わせたとされる。 田尻被告は同年5月の逮捕後、一貫して否認し、初公判でも「やっていない」と主張。犯行にかかわったことを示す直接証拠が一切なく、地裁は翌09年2月、同手続きの開始を決めた。 弁護側によると、検察側は「