理化学研究所の倫理委員会が19日開かれ、同研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代・プロジェクトリーダーらのチームが申請していたiPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた網膜再生治療の臨床研究計画について「適正と判断する」と承認した。 臨床研究では、様々な臓器の細胞に変化できるiPS細胞から網膜の細胞を作製。加齢黄斑変性で視力が低下した患者に移植し、網膜が再生できるかどうかをみる。倫理委では先月下旬から検討を開始。有効性や安全性などを評価していた。 チームは、実際に治療を行う先端医療振興財団「先端医療センター病院」(神戸市)にも同様の申請を終えている。21日に同病院の倫理委があり、問題がなければ承認される予定だ。 理研、同財団ではその後、厚生労働省に審査を申請。手続きが順調に進めば、iPS細胞を実際に使う世界初の治療が来年度中に実現する可能性が高い。