イーロン・マスクが設立したスペースXが打ち上げる「ファルコン9R」。ジェフ・ベゾスが設立したブルー・オリジンが打ち上げる「ニュー・シェパード」。垂直着陸型再利用ロケット技術の開発でしのぎを削る2社の最終目的は一致している。宇宙輸送システムの低コスト化と、それによる宇宙利用や宇宙探査の活発化だ。 しかし、そこに至るまでのビジネスプランは異なる。スペースXが、一気に衛星打ち上げコストを下げようとしているのに対して、ブルー・オリジンは弾道有人飛行による宇宙観光旅行という市場をまず立ち上げ、その一方で技術開発を進めて、次の段階で低コストの宇宙輸送システムを確立しようとしている。このビジネスプランの相違は、ファルコン9Rと、ニュー・シェパードの設計に現れている。 走りながら完成度を高めるスペースX まず、スペースXのファルコン9ロケットを見ていこう。このロケットは2010年6月の初打ち上げ以降、2回
現在の主力H2Aは、2023年度の打ち上げを最後に引退させる。無人補給船「こうのとり」を載せるH2Bは、19年度に打ち上げを終える。後継ロケットは開発中のH3に一本化され、20年度に1号機が打ち上げられる予定だ。 H2Aは01年の初打ち上げ以降、今年2月までに計30機が打ち上げられた。03年の6号機以外は成功している。さらに引退する23年度までに約20機が打ち上げられる見通しだ。
スペースXとブルー・オリジンが進めるロケットの垂直着陸と再利用。現在実用的な大型衛星を打ち上げるには、衛星の重量にもよるものの、数十億円がかかる。これが再利用によって、半分あるいは3分の1に下がれば、文字通りの「価格破壊」だ。 もし、10分の1、100分の1と、桁違いに下げられるなら、文字通り人類社会の宇宙利用のありようが激変するだろう。 その一方で、宇宙業界には垂直着陸による再利用を突き進める両社の行き方に対して、懐疑的な見方もある。確かに、ロケットを使い捨てにせずに回収して再利用すれば、打ち上げ費用は安くなる。しかし、再利用のための回収費用、再整備費用がかさむなら、かえって費用が高くなってしまうこともあり得る。やみくもに再利用すればよいというものではない。 それでは、一体どのような再利用をすれば、打ち上げコストを安くできるのだろうか。 原理原則にさかのぼって考えるイーロン・マスク まず
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