自然界には存在しないまったく新しい「生命」を、人間は自らの手で設計し作り出すことができるのでしょうか? 30年ほど前から続けられてきた「人工生命」の研究が、大きな一歩を踏み出そうとしています。 人工酵母菌ゲノム開発計画(Synthetic Yeast Genome Project)に携わる研究者たちは、酵母菌の全ゲノムを構成する16の染色体のうち6つの合成に成功したことを、Scienceで報告しました。酵母菌ゲノムを構成する染色体の3分の1以上を、人の手による人工物に置き換えることに成功したのです。 研究者が最初の人工ゲノムの構築に成功したのは2008年。J.C.ベンター研究所が細菌マイコプラズマ・ジェニタリウムの582,970個すべての塩基対ゲノムを完全にゼロから作り出した、人工生物学の驚異的な成果でした。101個のDNA断片を慎重に設計し、それらのコードが重なり合ってくっつくように、断
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