「教育委員会」とは〜教育委員会事務局と混同してはいけない (藤原 和博=杉並区立和田中学校校長) 今回は、「教育委員会」(以下、教委と略すことも)というあいまいな存在を、読者にキッチリつかんでいただこうと思う。そうでないと非常に安易な「教育委員会無用論」が闊歩(かっぽ)することになるからだ。そもそも、「教育委員会」とは何か、どういう組織かを説明する。さらに、教育委員会と混同されやすい「教育委員会事務局」も詳説したい。 教育行政を実際に行うのは「教育委員会事務局」 まず、用語の確認をしておきたい。 自治体には5人程度の「教育委員」がいて会をなし、その「教育委員会」の代表が「教育委員長」である。表面的にはこの人たちが、その自治体の教育政策のすべてを決めることになっているから、ひとたび教育問題が起これば、責任者はこの「教育委員会」だということになる。 しかし、実態はいささか異なる。