キリスト教の世界では20世紀以降、各派に分裂してしまったキリスト教の教派同士の対話と和解を進め、最終的にはキリスト教会全体の一致促進を目指す「エキュメニズム」という運動が積極的に行なわれるようになっています。 当初はプロテスタントの立場から始められた運動だったのですが、その後、プロテスタント諸派とオーソドックス(東方正教会)が加盟する世界教会協議会(WCC)がこの運動に取り組むようになり、後述する「第2ヴァチカン公会議」以降は、カトリック教会もこの運動に呼応するようになり、近年では特に、カトリックと、プロテスタントのルーテル教会、アングリカン(英国国教会系の教会)の取り組みが成果を挙げていると云われています。 しかし、今月になって、ローマ・カトリック教会の頂点に立つ教皇ベネディクト16世が、カトリックをも含むキリスト教全体が今まで取り組んできたこのエキュメニズムを根本から否定するとも受け止