ブックマーク / sakuranomori.hatenablog.com (13)

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    複数の重要な論点が提起されている。そのうち、何が議論の焦点になっていることを整理するために教育社会学理論を思い出してみたい。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110009536399 田伊克、2012、「教育の知識論的・文化階層論的基盤:『教育社会学的教育学改』序説」『宮城教育大学紀要』47、277-294, バーンスティン(Bernstein1996=2000, Chapter2)は、「言説生産の領域(the field of the production of discourse)」において生み出され、世の中に流通する様々な言説が選択的に取得され、それらが教師によって伝達され子どもに獲得されるべく特別な関係に組み換えられる活動が行われる領域を「再文脈化領域(the recontextualising field)」と定義している。またこうした諸言説の組み換え(再文脈

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    いまさらながら大学教育の「質保証」についてごく簡単に確認する。 http://blogos.com/article/80716/ 以上のように、我が国の高等教育の”質”は、エリート段階でエリートと学生を中心に施されていた教育水準の高さを、マス段階では定員を順守することを、そしてユニバーサル段階では、教育課程やそれをつかさどる大学運営体制全体をさしていたことがわかる。 http://www.niad.ac.jp/n_shuppan/package/no9_21_niadue_glossary_2011.pdf However, when reviewing institutions, quality may be considered to be the kind of activities they carry out, how well these are functioning and

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    数ヶ月前から組織学習論の勉強をひっそりと再開している。今日は再び入門書を読んでみた。 企業内人材育成入門 作者: 中原淳,荒木淳子,北村士朗,長岡健,橋諭出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2006/10/20メディア: 単行購入: 11人 クリック: 84回この商品を含むブログ (43件) を見る 特に、成功した経営者の「教育論」は、広く巷間に流布している。ロマンティシズムと、幾ばくかのノスタルジーをともなう成功者の物語は、人々を魅了してやまない。それは、自社の教育に携わるビジネスパーソンを勇気づける。 しかし、「私の教育論」は、ともすれば弊害をもたらすことも多い。 企業内の教育を統御する立場の人間が、「ある一人の人間の被教育経験」という、第三者から批判を受けにくい限定的な一事例を根拠に、企業全体の教育システムを改善しようとするとき、その弊害は前景化する。〈私〉にとってうまく

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    http://ci.nii.ac.jp/naid/40019765589 小山治、2013、「初年次教育としての学習技法型授業の効果―1年生と4年生の共時比較」『大学評価研究』12。 以前、抜き刷りを頂戴した論文である。社会科学分野の学生を対象とした質問紙調査の結果から、学習技法を身に付けることを目標とする授業の厳しい限界を示している。「大学での基礎的な学習技法(=レポートの書き方など)を教えてくれる授業」を履修した経験は、授業外学習時間(授業とは関係のない学習)、成績、剽窃の有無、ノートの取り方に対して効果がなく、他方、授業関係学習時間(授業に関係する学習)に対して正の効果をもたらすという結果であった。そのうえで、学習技法型授業の間接効果の有無を調べること、学習技法型授業の効果を他の変数によって実証すること、追跡調査を行うこと、以上3点の継続課題が提起されている*1。 学習技法型授業の難

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    頂戴しました。ありがとうございます。 教育格差の社会学 (有斐閣アルマ) 作者: 耳塚寛明出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2014/01/29メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る章立ては次のとおり。第1章「学力格差の社会学」(耳塚寛明)、第2章「カリキュラムと学力」(山田哲也)、第3章「教育機会の均等」(小林雅之)、第4章「学校から職業への移行」(堀有喜衣)、第5章「社会化と逸脱」(矢島正見)、第6章「ジェンダーと教育」(小玉亮子)、第7章「国際教育開発の社会学」(浜野隆)、第8章「教育格差と福祉」(白川優治)である。教師を目指す学生向けの教育社会学のテキストが数多いなかで、こうした必ずしも教員養成にこだわらないテキストが出版されるのはとても嬉しい。 ところで、編者による「はしがき」にこのような文章がある。 知識は、何者かが、この世界をある方法によっ

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  • 学歴社会論 - 2013-06-26 - 一橋大学 二宮祐研究室

    検証・学歴の効用 作者: 濱中淳子出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2013/06/20メディア: 単行この商品を含むブログ (5件) を見る頂戴しました。ありがとうございます。 高度経済成長期を経て、一九七〇年代、八〇年代半ばぐらいまでだろうか。日社会を特徴づける言葉の一つとしてよく用いられていたものに「学歴社会」がある。取得した学歴人生を大きく左右する。そう信じる親子が学歴のために奮闘すれば、他方でこうした風潮への批判も高まった。学歴がどれほど実力を反映しているかわからないのに、出身大学によって出世の程度が決まってしまうのはおかしいではないか。学歴社会であるがゆえに受験競争が過熱し、ひいては校内暴力やいじめが起きるのだ。学歴社会―それはまさに、大きな社会的関心事だった。 それから二十年以上の月日が流れた。そのあいだに学歴社会を意識する越えはほとんどなくなったといってよい。学歴

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    学びの質保証戦略 (高等教育シリーズ) 作者: 山田礼子出版社/メーカー: 玉川大学出版部発売日: 2012/04/28メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る「ホームページから読み解く」と帯に示されている。実際に主として米国の大学のホームページの画像を掲載して、その内容(と、若干の背景)を日語で説明している。ホームページの紹介だけでいいのかと思ってしまうのだけれども、「質保証戦略」の一環として情報公開を促進するためのホームページの活用という位置づけになるのならば、こうした研究の意義もわかるのである。 現在、大学生が身につけるべき能力・技能として明示されている、「問題発見力」「課題解決力」「協働できる力」「倫理性」「他の文化を理解でき受け入れる力」「世界の人々とコミュニケートできる力」等は、多くの国々の実に覆うの高等教育機関が学習成果目標として提示している

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    ジェネリックスキルに関するセミナーに参加しての感想である。 そもそもの話しになるので質問しなかったことが2点。まず、評価と測定が文脈によって使い分けられていたので混乱した。おそらく両者の相違についての理解が足りないのだろう。致命的ではなかろうか。次に、パフォーマンス評価の意味を誤解しているので戸惑った。あのような引用をされてしまっては、教育評価論の研究者は不意であろう。 質問したことが2点。第一に、「ジェネリックスキルを評価(または測定?)するための『構成概念』は、たとえばDeSeCoや社会人基礎力と『親和性』があるから妥当だ」という説明の意味がわからなかった。DeSeCoについては、似ている部分だけを指摘して捨象した部分については黙っているのではないか。そもそも、DeSeCoほど抽象性が高いのであれば、どんな「構成概念」であったとしても「親和性」を主張できるはずだ。また、社会人基礎力に

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    時事問題に関して「脊髄反射」(?)的にコメントするのはとても恥ずかしい。ジャーナリストではないのでなるべく控えている。しかし、研究に大きく関与することなので一言だけ。 田中眞紀子文部科学大臣が大学設置・学校法人審議会の答申を覆して大学設置を不認可としたのは驚いた*1。近年のことは理解していないものの、私が研究対象としてきた1960年代〜1980年代において、大学設置は「行政指導」の典型であったためである。行政学の知見以上のことを言えないので、それをテーマとした論文は書いていない。行政学で言われてきたことそのものなのである。 現代政治学小辞典 行政指導 administrative guidance 行政機関が特定の行政目的を実現するために、直接の法的な強制力によるのではなく、個人や公私の団体に対して任意の協力を求めて働きかけること。わが国では、その柔軟性・便宜性などから広く行われてきたが、

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    「水面下ではいろいろ動いているのよ」と言うと、あることがらについて特権的に情報を持っている、事情通なのだ、と自らの虚栄心を満足させつつ他人を見下すことができる。嫌味で都合のよい表現である。そのわりに、その情報が何であるのか隠したままにしている。ほんとうに情報を持っているのだろうか、あやしく思えるのだ。 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002hc65.html 1.有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換 有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合(※1)は、労働者の申込みにより、無期労働契約(※2)に転換させる仕組みを導入する。 (※1) 原則として、6か月以上の空白期間(クーリング期間)があるときは、前の契約期間を通算しない。 (※2) 別段の定めがない限り、従前と同一の労働条件。 2.「雇止め法理」の法定化 雇止め法理(判例法

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    反大学論と大学史研究―中野実の足跡 作者: 中野実研究会出版社/メーカー: 東信堂発売日: 2005/06メディア: 単行 クリック: 3回この商品を含むブログを見る東信堂による帯は「70年代の日とは何であったか!」、「(筆者には)大学史研究者として知られる近年の顔のほかに、かつての激烈な体制批判者、『反大学』論の書き手としてのもう一つの『顔』があった」とある。しかし、そこまで営業用の言葉を並べる必要はない。とても勉強になった。 立教大学で講義を担当することが決まって以来、立教の歴史についてはかなり勉強したつもりであった。しかし、第二次世界大戦以前と大綱化以降のことがらばかりに注目してしまって、学生運動の時期のことがらについてはまったく足りなかったことを反省した。立教の自主講座運動の存在も知らなかったのである―よく言及されるのは、横浜国立大学の試みである。ともあれ、現代においても引き続

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    先日の朝日に掲載された野中郁次郎の記事の件、暗黙知の概念を誤解しているという指摘、ほんとうは正確に理解しているけれどもあえて間違った使い方をしているという指摘、どちらの指摘が妥当なのだろうか。 暗黙知については、ちょうど先日の研究会で考えていたところであった。野中郁次郎の暗黙知理解の特徴についても言及があった。以下、その発表資料である。 グローバル化・社会変動と教育〈1〉市場と労働の教育社会学 作者: ヒューローダー,ジョアンヌディラボー,A.H.ハルゼー,フィリップブラウン,Phillip Brown,Jo‐Anne Dillabough,Hugh Lauder,A.H. Halsey,広田照幸,吉田文,田由紀出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2012/04メディア: 単行 クリック: 9回この商品を含むブログを見る 第4章 デイヴィド・ガイル、潮木守一訳、「知識経済の特徴

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    週刊 東洋経済 2012年 8/25号 [雑誌] 出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2012/08/20メディア: 雑誌 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る出張の空き時間に昨日購入した週刊東洋経済を読む。 今週の特集はリクルートであった。私は少なからず同社と関わりがあるので、どうしても気になってしまう。口癖のひとつが「フィジビリ」である、講義でZD運動の説明を故意に間違える(もちろん、すぐに訂正する)、同社への入社希望者に対して厳しい予算達成への圧力やビル倒しのような根性論的(?)研修に耐えられるかどうかを尋ねるなど、常に頭の片隅にある企業である。同社の従業員だったり元リク=卒業者だったりする知人が多く、また、かつての勤務先のひとつが同社へのM&Aを検討していた―ダイエーが株式を手放しがっていた時代である―ためである。 内容は全体としては提灯記事である。たとえ

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