→紀伊國屋書店で購入 ラテン・アルファベットの誕生物語である。原題は「アルファ・ベータ 26文字はいかにして西洋世界を形成したか」だが、邦訳は前書にある「人類最高の発明」という言葉を題名に選んでいる。 古代の文字をあつかった本は、解読する過程に焦点をあわせる謎解き型と、文字を生みだした社会に焦点をあわせる歴史型の二つにわかれるが、本書は歴史型のアプローチをとっている。著者のジョン・マンはフビライ汗やフン族のアッティラなど歴史物を書いてきた作家だそうだが、ヒエログリフから単子音文字が生まれ、ギリシャにはいってアルファベットになるという歴史を、多彩なエピソードを豊富に盛りこんで第一級の読み物にしあげている。 文字以前の絵文字から完全な文字に飛躍するには、哲学的といっていい、ややこしい議論があるが、著者は奉納物の整理に困ったメソポタミアの神官を登場させることで、すんなりと完全な文字の世界に話をつ
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