■ 政治は、サーフィンに似ている。 政治家が相手にしているのは、「時代の要請」という大小様々な「波」である。 福田康夫総理にとって、「補給活動」継続は、自分が手掛けたかった政策であろうか。 そんなことはあるまい。 福田総理が必死になって「給油活動」継続に取り組んでいるのは、それが偶々来た「大波」であるからである。 偶々、「波」が来れば、それに否応なく乗らざるを得ない。乗らなければ、「波」に呑み込まれてしまう。 それが政治家の宿命である。 故に、政治家の仕事に、「状況追随」などという批判を寄せるのは、無意味である。「状況」に対応するのが、政治家の仕事の本質である。 しかも、政治家がどれだけ巧く「波」に乗って相応の成果を挙げたとしても、その成果が「永遠の生命」を持つことはない。「新テロ特措法」も、きちんと成立したとしても、実際の有効性を保ち得るのは、せいぜい数年のことでしかない。そのような「儚
1996年夏に共同通信を退職した私は、まず『特捜検察』(岩波新書)という本を出しました。共同通信記者時代に検察担当だったので、その当時に蓄積していたデータをもとに、その後の取材と合わせて一冊の本にまとめたのですが、問題はその後。会社を辞めた時点では、とりたてて明確なテーマを設定していたわけではないので、途端になにを書くべきか迷ってしまったのです。 ただ、人物ものをやりたいという気持ちは強く持っていました。人物評伝は、共同の社会部時代からいくつか経験しています。私が共同通信で最後に手掛けた仕事も戦後50年企画として瀬島龍三(今週のキーワード参照)の戦中戦後を描いた『沈黙のファイル―「瀬島龍三」とは何だったのか』(新潮文庫)でした。瀬島氏の生い立ちからその後の一生を辿ることで、日本の戦後、つまり私たちが生きている時代を検証できないかという思いではじめたのですが、結果としてそれまで見えなかっ
何故か、このシステムそのものが問題とされることはほとんどないが、これが全ての前提となるので、ここにこそ全ての問題が内包されていると言っても差し支えないくらい、問題の多い日本の法改正プロセスについてまず説明したい。 新聞で「・・・(役所)が・・・という内容で法改正を行う方針」と報道された場合、これは何を意味しているのかというと、各省庁に設けられている有識者会議で方向性を出した報告書がまとめられたということなのだ。何故、有識者会議で結論が出されただけで、あたかも国会審議を無視して、法改正がなされるかの如き報道がなされるかというと、大体有識者会議で決定されたのを良いことに、役人が自らの点数取りのために、他のあらゆることを無視して内閣による国会への法案提出まで持って行くことを、政府番の報道関係者が熟知しているためである。 以下、順を追ってこのプロセスを少し詳しく説明しておきたい。 (1)各省庁主催
次に、2006年の欧州での補償金制度改革の検討を紹介しておこう。ネットには、この検討において提出された膨大な資料が公開されており、膨大すぎて読めないくらいであるが、少なくとも真面目に補償金問題に取り組もうと思う者にとっては、極めて面白い資料である。 文化庁の中間整理では、極簡単に経緯について触れられているだけで、このような資料について検討した形跡が全くないのだが、自分たちに都合の良いところだけ適当につまみ食いしているようにしか見えない調査に無駄に予算を使うより、この資料を全て翻訳して、詳細に検討した方がよほど国際動向が分かると思えて仕方がない。 例えば、利害関係者に対する質問状の第11ページに、欧州各国での補償金賦課の状況が出ているが、バラバラも良いところである。確かにこれでは域内経済に少なからぬ影響が出ており、EUとしては統一したくて仕方がないに違いない。しかし、保護期間の延長問題と同じ
先日、著作権分科会の私的録音録画小委員会にも委員を出しているメーカーの業界団体、電子情報技術産業協会(JEITA)が、文化庁の中間整理に対して真っ向から反対する説明会を開いたというニュース(ITmediaの記事)があった。この見解は、その前にJEITAのHPに載せられていたものである。 また、このブログでも応援していると書いたが、同じく私的録音録画小委員会でユーザーを代表していた津田委員(肩書きはIT・音楽ジャーナリストだったが)が発起人に名前を連ねる形で、MIAUという団体が作られ、中間整理に盛り込まれたダウンロード違法化に反対する運動をネット中心に展開している。 さらに言うならば、上位の委員会である著作権分科会そのものでも、私的録音録画小委員会に出席していた、消費者代表の河村委員、野原委員から、補償金ありきの議論はおかしいという主張が相次いで出されている(Internet Watchの
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