3月22日に首相官邸で開かれた「国際金融経済分析会合」に招かれたポール・クルーグマン米ニューヨーク市立大教授が、会合での安倍晋三首相の「オフレコ」発言を含む議事録をネットで公開し、政府が困惑する事態となっている。 会合は原則非公開だったが、クルーグマン氏は26日、ネット上で「私が東京で話したこと」と題し、12ページの議事録を公開した。それによると、首相は「これはオフレコですが」と前置きしつつ、「財政出動の余地が最も大きいのはドイツだ。ドイツ訪問の際、財政出動での協調を説得するのに何かアイデアはないか」と質問。クルーグマン氏は「外交術は私の専門ではない」と答えた。 菅義偉官房長官は31日の記者会見で「議事録は政府が作成したものでなく、あくまで教授ご自身のメモだ」と説明し、クルーグマン氏への抗議は「考えていない」と語った。【高本耕太】