スコットランド出身の推理作家ジョセフィン・テイの歴史ミステリ『時の娘』(1951年発表)は、時を超えて永く読まれ続ける名作中の名作です。 英国史の予備知識がなくても、物語として、知的エンタテインメントとして、心から楽しめる1冊。 時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1) 作者: ジョセフィン・テイ,小泉喜美子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1977/06/30 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 21回 この商品を含むブログ (71件) を見る 英国の薔薇戦争の昔、王位を奪うため、いたいけな王子を殺害した悪虐非道の王、リチャード三世。 捜査中不慮の事故に会い、退屈な入院生活を送るグラント警部は、ふと一幅の肖像画を手にした。思慮深い双眸。誰か判らないが、犯罪者の顔つきではない。 だが、これがあの悪人リチャード王のものだと知った警部に疑問がめばえた。 彼は本当に伝説どおり