一国の首脳の親族がエコヒイキされ、不当な利益を得る――。お隣の国からよく聞こえてくる話だが、対岸の火事だと高みの見物をする暇があるなら、わが身を振り返ったほうがいいかもしれない。 *** 今年3月、衆院第1議員会館と首相官邸を会場に「全国高校生未来会議」という催しが行われた。全国から選抜された学生が模擬投票などを行ったこのイベントは、後援に文科省と総務省、優秀者には総務大臣賞や地方創生担当大臣賞、さらには内閣総理大臣賞まで贈られるなど、いわば“国を挙げて”のバックアップ。主催は、斎木陽平という24歳の若者が代表を務める「リビジョン」なる一般社団法人である。 開催の経緯を、文科省幹部はこう明かす。 「リビジョンの斎木代表は安倍総理の親族だ、と聞かされ、みな仰天したんです。文科省はいろんなイベントに公平であるべきだし、リビジョンという法人に活動実績がほぼないことなどから、文科大臣賞の設定だけは