心霊現象やUFO、超能力──。科学では証明できない世界を描き、1970年代のオカルトブームを巻き起こしたつのだじろう先生。代表作『恐怖新聞』が連載開始から50年を迎える今、漫画家となった経緯や作品が誕生した経緯についてお話を伺いました。 ──先生はどうして漫画家になられたのか、どうして漫画の道に進まれたのでしょうか 絵を描くのが好きで、小学校3,4年の時には漫画家になると決めていたけれど、本気で考えたのは中学校2年生のとき。 新宿の家の近くの野球グラウンドで講談社の球団の試合があるっていうんで見に行ったら、その監督が『冒険ダン吉』を描いた島田啓三先生(のちの師匠)だった。 そこで描き溜めた自分の漫画を全部持って、野球の試合中にダッグアウトまで入り込んで「漫画を見てくれ」と島田先生に言いに行ったら「君、そういう用事なら家の方に来るべきだ」と怒られたんだけど、その言葉を「家へ行っていいんだ」と