映画「Young Frankenstein 」(邦題「ヤング・フランケンシュタイン」)には、次のようなシーンがある。フランケンシュタイン博士が初めてアイゴールに出会った際、アイゴールの背中にある奇妙なこぶを指さし、「わたしにはそれが治せる」と言うのだ。そして以下のような会話が続く。 「治せるって何を?」 「そのこぶだ」 「こぶって何のことだ?」 この下りは、常習的な否定の例として筆者のお気に入りとなっている。実際、実生活で自己欺まんの例に遭遇すると必ず、「こぶって何のことだ?」という台詞が筆者の頭の中を駆けめぐるのである。 従業員の考課を初めて行うという新任マネージャーに対して、筆者からアドバイスを1つ贈るとすれば、自らに都合の良い解釈をしたがるという人間の性癖を甘く見てはいけないというものになるだろう。言い換えれば、従業員が自らの至らない点について自覚していると思い込むのは最も避けるべき