装置の大容量化・省エネ化を叶える新技術 パソコンや携帯電話など、現代生活に欠かせないIT機器を動かしている電子技術。私たちにとっても馴染みのある「エレクトロニクス(電子工学)」が、その大きな部分を担ってきましたが、今注目されているのが「スピントロニクス」と呼ばれる電子技術です。 そもそも、電子は電荷と磁気という2つの性質を持ち、その研究は電荷を扱う「電子工学」と磁気を扱う「磁気工学」の2つの分野に分かれて発展してきました。電荷の性質を利用するエレクトロニクスに対し、スピントロニクスは電荷と磁気の2つの性質を活用する、言わば「未来型エレクトロニクス」。HDD(ハードディスクドライブ)の大容量化や省電力化はもちろん、不揮発性(電源を常に入れておかなくてもデータを保持できる)メモリなどにも貢献できる、応用範囲の広さが特長の一つです。その成果を活用したHDD磁気ヘッド(データの書き込み/読み出しに