情報処理学会CVIM 研究会では,2006 年末からコンピュータビジョン分野における最新理論・アルゴリズムについて,「チュートリアルシリーズ」を企画してきた。本書は,CVIM チュートリアルシリーズ最先端ガイド第4 弾として,第16回から第20回までの講演内容に加筆修正し,5 章構成でまとめたものである。この第4弾では,光の物理法則を考慮し,画像の明るさ・色に着目した処理である,Physics Based ComputerVision に関連したトピックを取り上げた。 まず,高松淳氏に,カメラが対象シーンを画像化するプロセスと,そのプロセスにおける画像ノイズの統計的性質と,それを利用した色々な情報推定手法を解説していただいた。次に,画像が撮像される光学的プロセスの一部を計算処理に置き換えることにより,通常のカメラでは得られないような画像を合成する手法として近年注目を集めているコンピュテーシ