野生のスミレコンゴウインコ(Anodorhynchus hyacinthinus)を捕らえて売買することは禁止されている。飼育下の鳥から生まれたコンゴウインコの取引は合法だが、スミレコンゴウインコは繁殖が困難なことで知られている。そのため野生の卵の需要は高く、卵の輸送は鳥よりも簡単なことから、南米からヨーロッパへの卵の密輸が増えている。(PHOTOGRAPH BY ERIC BACCEGA, NATURE PICTURE LIBRARY) 2010年、スイス、チューリッヒの空港で、ブラジルから到着したある乗客を見た税関職員が不審に思った。その男は妙な歩き方をしていた。麻薬を隠し持っているのではないかと職員は疑い、男の身体検査を行った。 ところが、下着のなかから出てきたのは、薬物ではなく25個の卵だった。アマゾン原産のコンゴウインコなどの卵だ。男は腹に卵を巻きつけて、11時間のフライトの間中