軽々な当てはめは危険だけど、オタクも方言を使わないとよく言われるよね。家族や友人よりメディアが対人関係や語彙の教科書になるやつ。/心理学と言語学に加えて、発声法や漫画表現の研究者を交えても面白そうだ。
自閉症の子どもは津軽弁を話さない。そんな妻の一言をきっかけに、心理学者の松本敏治氏はことばと心の謎の解明に乗り出した。松本氏は「最初は軽い気持ちで調べていたが、本にまとめるまで十数年がかかった。現場の人々の経験や感覚に目を向けることの大切さを痛感した」という――。 【この記事の画像を見る】 ■「ことばと心の謎」に迫る研究のきっかけ ある日、町の乳幼児健診から帰ってきた心理士の妻が、ビールを飲みながら「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ(話さないよねぇ)」と言ってきました。 障害児心理を研究する私は、「それは自閉症(自閉スペクトラム症:ASD)の独特の話し方のせいだよ」と初めは静かに説明してやりました。しかし妻は、話し方とかではなく方言を話さないのだと譲りません。 やり取りするうちに喧嘩になり2、3日は口を利いてくれませんでした。こちらも長年、その道の研究職であるつもりでしたから、たと
妻の何気ない「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ」というひとことに、私は10年ものあいだ「本当に?」「どうして、なぜ?」と問い続けました。そして同時に湧き上がった疑問。 「なぜ、他の人は目の前にあることを不思議に思わないでいるのだろう」 この研究を通して出会った保護者や支援者の多くは、この現象について「どうしてだろう?」と疑問に思ってくれました。ところが、専門家にとっては〝地域での臨床経験があればあたりまえ〞のことだったりして、研究者には〝どの理論で説明できるか〞ということがひっかかったようでした。この現象を多くの人が知っていたのに、なぜ不思議だと思わず、今まで誰もそのメカニズムを解明しようと考えなかったのでしょう。 研究者や専門家といわれる人々(私もですが)は、自分の専門や関連領域について多くの知識をもっています。私も大学に勤めていた時は教育相談にこられたお母さんに「それはASDの
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く