エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー「機械との競争」の続編です。ぼくが本書に刺激を受けたのは、「教育」に関する分析と、「提言」の2点。まず、本書はアメリカの教育が停滞していることを批判します。情報化が進んでいない、指導法は何世紀も変わっていない、という指摘です。MITメディアラボのシーモア・パパート一派が唱え続けていることですね。 そこで本書も教育情報化を説くのですが、意を強くしたのは、美術、音楽など「ソフトスキル」をつける重要性を語っていることです。MITメディアラボから転じたジョン前田が、「イノベーション力を高めるにはSTEAM=科学、技術、工学、Art、数学が重要」としてArt教育をプッシュしていることに言及しています。まさにそれこそぼくがMITから日本に戻って10年続けている創造力・表現力を高めるデジタル学習活動のベース。 そして、本書のクライマックスが「19の提言