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ブックマーク / mainichi.jp (197)

  • ウクライナ侵攻 中国の「ロシア寄り」は変わるのか | ふらっと東アジア | 米村耕一 | 毎日新聞「政治プレミア」

    ロシアによるウクライナ侵攻について中国では、政府やメディア、世論のロシアへの心情的な「肩入れ」が目立つ。 中国内のインターネット利用者を対象に3月28日から4月5日にかけて4000人以上の回答を得た米シンクタンク「カーターセンター」の調査によると、「ロシアを支援することが中国の国益だと感じるか」との問いに約75%が「感じる」と答えた。 ただ、ウクライナでの戦争が始まってすでに2カ月半。ロシア軍による民間人の虐殺も明らかになった。ロシア寄りの姿勢をとり続ける中国の立場は、ますます合理的な説明が難しくなっている。ロシアに対する心情的支持を続けるのはなぜか。ウクライナ侵攻に対する中国の見方は今後、変化するのか。 最近まで中国外交学院教授として勤務し、外交問題で中国政府のアドバイザー役も務めた蘇浩・同済大学高級研究員に4月26日、話を聞いた。中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」では約39万人が蘇

    ウクライナ侵攻 中国の「ロシア寄り」は変わるのか | ふらっと東アジア | 米村耕一 | 毎日新聞「政治プレミア」
  • 尾身茂会長「難しい、悩んだ」 政府方針と異なる提言 学会で心情 | 毎日新聞

    岸田文雄首相との会談を終え、記者団の質問に答える新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(中央)=首相官邸で2022年1月18日午前11時43分、竹内幹撮影 政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の尾身茂会長は22日、日感染症学会でオンライン講演し、東京オリンピックなどで政府方針と異なる提言をするのは「難しい。悩んだ」と述べた。2年にわたる新型コロナ対策で、政府と専門家の関係に苦悩してきたことを明かした。 尾身氏は新型コロナの流行が始まった当初から、分科会など専門家のまとめ役として政府に状況分析や対策などを伝達してきた。講演では「(政府や国民の)半歩先で、みんながちょっと努力すればやってもらえるような提…

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  • 私たちは沖縄の底辺…父の血恨んだ 「アメリカーと呼ばれて」/上 | 毎日新聞

    沖縄島南部で暮らす50代の女性の記憶に、50年前の1972年5月15日の出来事が深く刻まれている。【喜屋武真之介】 米兵のやったこと、全部返ってきた その日、沖縄は戦後27年間の米国統治を脱し、日土に復帰した。女性が通っていた小学校の教室では教諭が児童たちの席を回って、紅白まんじゅうと記念メダルを配った。「あなたには関係ないよね」。教諭はそう言って女性の席を通り過ぎた。「なんで?」。当時はぼうぜんとするばかりだったが、後に気付いた。自分の父が米軍の兵士だったからだ、と。 太平洋戦争末期の地上戦で沖縄を占領した米軍は小さな島の至る所に基地を建設した。52年に日が主権を回復した後も、72年の土復帰まで米軍の施政権下に置かれた沖縄。圧政に抵抗して「異民族支配」からの脱却を求める人々がいた一方で、生きていくために基地従業員として働く人たちや、米兵を客に飲などを提供する人たちがいた。そし

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  • 尿路結石で腹痛訴えた後も30分乗務、救急搬送 つくばエクスプレス | 毎日新聞

    茨城・つくば駅と東京・秋葉原駅を結ぶ路線「つくばエクスプレス(TX)」で3日午前、男性乗務員が体調不良を訴えた後も30分超にわたり1人で乗務を続けていたことが判明した。列車の運行を管理する総合指令所も状況を把握していた。乗務員人が乗務可能と主張したため、体調不良で出発が遅れた後も単独乗務は続き、乗務員は緊急交代後に救急搬送された。TXを運営する「首都圏新都市鉄道」(社・東京都千代田区)は「安全上問題は無かった」としているが、識者は「言い出しにくい状況があったのでは」と指摘している。 この列車は自動運転で、乗務員はドアの開閉や、線路上の障害物の目視のほか、緊急時の操縦などが主な業務という。

    尿路結石で腹痛訴えた後も30分乗務、救急搬送 つくばエクスプレス | 毎日新聞
  • SIMロック禁止で浮上した「電波拾えない」問題とは | 知ってトクするモバイルライフ | 石野純也 | 毎日新聞「経済プレミア」

    スマートフォンを特定の通信事業者でしか使えないようにする「SIMロック」は、2021年10月に原則禁止になり、端末を変えずに、他の事業者に乗り換えやすくなった。 だが、個々の端末は、対応する電波の周波数が微妙に異なるため、他の事業者に移ると電波がつながりにくいなどの問題が生じる。総務省は3月14日に開いた有識者会議で「対応周波数の問題」を競争促進のための新たな課題として検討に入った。 対応周波数の違いで問題発生 具体例を挙げて見てみよう。例えば、NTTドコモで購入したGalaxy(ギャラクシー)やXperia(エクスペリア)が、KDDIやソフトバンクの回線だと電波が入りづらくなることがある。逆も同様だ。通信事業者は、端末を自社の電波に合うように最適化して販売している。まったくつながらなくなるわけではないものの、一部の場所でエリアが狭くなったり、速度が出づらかったりすることがあるのだ。 ドコ

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  • 感染研がエアロゾル感染認める 飛沫、接触の報告書から一転 | 毎日新聞

    新型コロナウイルスの感染経路について、国立感染症研究所(感染研)は28日、ウイルスを含んだ空気中に漂う微粒子(エアロゾル)を吸い込んでも感染するとの見解をホームページで公表した。感染研はこれまでエアロゾル感染に否定的で、飛沫(ひまつ)感染と接触感染だけを挙げた報告書を発表していたため、国内の科学者が「世界の知見とは異なる」と説明を求めて公開質問状を出していた。 世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)などは昨春、主な感染経路としてエアロゾル感染と飛沫感染を挙げ、接触感染は起きにくいとする見解を示した。しかし、感染研は今年1月13日に公表したオミクロン株についての報告書で、「現段階でエアロゾル感染を疑う事例の頻度の明らかな増加は確認されず、従来通り感染経路は主に飛沫感染と接触感染と考えられた」と記し、WHOなどと異なる説明をしていた。

    感染研がエアロゾル感染認める 飛沫、接触の報告書から一転 | 毎日新聞
  • 大テロルの再来? ロシア軍、ウクライナ住民を続々拉致・強制移住か | 毎日新聞

    近くで砲撃が始まった後、息子を守ろうとする母親=ウクライナ南部マリウポリで2022年3月23日、ロイター ロシア軍が、制圧したウクライナ南部の各地で住民を次々と拉致しているとの情報が相次いでいる。ウクライナは約1万5000人の住民がロシアに強制移住させられているとも主張。制圧地で、思いも寄らぬ住民からの反発を受け、ロシア側が強硬手段に出たとの見方が強まっている。 「1万5000人を強制移住ウクライナ主張 23日未明、南部ヘルソン州で地元の劇場の芸術監督を務めるオレクサンドル・クニーガ氏の自宅に突然、銃を持った男たちが押し入った。ロシア軍だった。家の中を捜索した上で、クニーガ氏を拉致した。その日の夜、自宅から遠く離れた屋外に放置されるまで、警察署の一室に閉じ込められたという。 63歳のクニーガ氏は、国際演劇祭を開催し、国外でも知られた人物だ。米ニューヨーク・タイムズ紙の取材に応じたクニーガ

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  • 分岐点 これからのコロナ対応:コロナを「インフルエンザぐらいの病気」にする道 宮坂昌之教授 | 毎日新聞

    では新型コロナウイルスワクチンの2回接種率が約8割にもかかわらず、感染者が急増して「第6波」が起きた。では、接種回数さえ増やせば流行が防げるのかというと、そう単純ではない。重症化リスクの高い人には4回目接種もしたイスラエルでは、人口100万人当たりの感染者は日の約10倍、死者は約6倍だ(2日時点)。免疫学の第一人者の宮坂昌之・大阪大名誉教授に謎を解く鍵を聞いた。日の今後のワクチン接種にも参考になるという。【聞き手・中川友希】

    分岐点 これからのコロナ対応:コロナを「インフルエンザぐらいの病気」にする道 宮坂昌之教授 | 毎日新聞
  • 「答えはロシア市民に懸かっている」 ウクライナ大統領動画の要約 | 毎日新聞

    ロシア軍のウクライナに対する攻撃が続く中、全面侵攻開始直前の24日未明にウクライナのゼレンスキー大統領がSNS「テレグラム」の公式チャンネルへ投稿した1の動画がインターネット上などで注目されている。ロシア国民に対して「ロシア人は戦争を欲しているのだろうか?」とロシア語で問いかけ、プーチン露大統領からの非難や決めつけに反論している。要約は次の通り(記事の末尾に動画)。【真野森作】 ◇ 今日、私はロシア大統領(プーチン氏)との電話協議を試みたが、結果は無反応だった。だから、私は全てのロシア市民に向けて演説したい。皆さんに大統領としてではなく、一人のウクライナ市民として話しかけている。 2000キロ超の国境が私たちを隔てている。この国境に沿って、あなたたちの軍部隊が展開している。20万人近い兵士と数千の軍用車両だ。あなたたちの指導者は兵士たちの前進を承認した。よその国の領土へ、だ。この一歩は欧

    「答えはロシア市民に懸かっている」 ウクライナ大統領動画の要約 | 毎日新聞
  • 低すぎるワクチン接種率「300人に1人」 コンゴで進まぬ背景 | 毎日新聞

    キンシャサの市場で物を売るナディン・ボンザンガさん。副反応が怖くてコロナワクチンの接種は受けていないという=コンゴ民主共和国で2022年1月30日午後1時4分、平野光芳撮影 アフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)では、新型コロナウイルスのワクチン接種完了者が人口のわずか0・3%しかいない。およそ300人に1人の割合で、世界最低水準の国の一つだ。接種キャンペーンは2021年4月に始まり、現在は18歳以上なら誰でも無料、予約なしで受けられる。それでも進まないのはなぜか。背景には、コロナ以上に恐れられている感染症の存在があった。 首都キンシャサ中心部からおよそ15キロの公立ヌジリ・シノコンゴレ病院。1月31日昼、接種会場の大型仮設テントは閑散としていた。「きょうはワクチンがない」とスタッフ。道路舗装が不十分なキンシャサでは雨が降ると各地にぬかるみができ、交通もまひする。雨期のこの日は未明から

    低すぎるワクチン接種率「300人に1人」 コンゴで進まぬ背景 | 毎日新聞
  • 当て外れたポイント還元 「浸透せず」想定の14% 経費3億円 | 毎日新聞

    新型コロナウイルス禍で打撃を受けた小売店を支援するため、大阪市が2021年12月の1カ月間、キャッシュレス決済で代金を支払った買い物客にポイント還元する「買い物応援キャンペーン」をしたところ、還元分として予算計上していた約96億円のうち、7分の1の約14億円分しか利用がなかった。一方、広告代理店などへの業務委託には約2億9000万円かかった。ポイント還元の実績が市の想定を大きく下回ったため、事業の効果に対して、経費の割合が増大する結果となった。 市によると、店舗は地元商店に加え、コンビニエンスストアやドラッグストアなど市内約1万3000店が参加した。松井一郎市長は実施にあたり、「飲店だけではなく、物販店も厳しい経営状態に追いやられている」と説明。飲店に比べて金銭的な支援が手薄な小売店での消費喚起を狙った。感染対策の強化を図る目的もあり、キャッシュレス決済を条件とした。 代金の20%支援

    当て外れたポイント還元 「浸透せず」想定の14% 経費3億円 | 毎日新聞
  • ついていったらマルチ:若者はなぜマルチにはまるのか 巧みに忍び寄る組織にどう対処? | 毎日新聞

    第2部「マルチ商法のわな 被害者から学ぶ対処」③ 全国の消費生活センターへの「マルチ商法」被害についての相談は、2018~20年度、1万件超で推移している。マルチ商法は通常、知人や友人など周囲を巻き込むことが多いが、新型コロナウイルス禍で対面による密な人間関係を築けなくなり、不特定多数に声をかける新たな手法にも警戒が必要だ。 違法の疑いがあるマルチ商法にだまされないためにはどうすればいいのか。もし家族や親しい友人が関わっていることに気づいたら、どう手を差し伸べたらいいのか。悪徳商法やカルト集団による被害者の救済に詳しい紀藤正樹弁護士に聞いた。【小鍜冶孝志】 ――マルチ商法の被害相談件数が高止まりしている。 ◆まず、間もなく新年度を迎える。人の移動が多い春先は特に、マルチ商法や詐欺の被害に注意が必要だ。これはいつの時代も、質として変わらない。 都会に出てきたばかりの新社会人や学生が、格好の

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  • ついていったらマルチ:育て方が悪かったのか…息子が「事業家集団」構成員に 母の苦悩 | 毎日新聞

    第2部「マルチ商法のわな 被害者から学ぶ対処」② 育て方が悪かったのだろうか……。関西地方に住む女性は、20代の息子が「事業家集団」の構成員として活動していることを知って以来、自分を責め続けている。息子は親の忠告に耳を傾けようとはしない。成人が自らの意思で参加している限り、連れ戻す手段はない。 息子は大学卒業後、大阪府内の会社に就職した。1人暮らしを始め、「福利厚生が充実していて働きやすい」と満足そうだった。 息子の変化に気づいたのは、新型コロナウイルスの感染が国内でも広がり始めたころだった。落ち着きなく誰かと電話したり、スマートフォンをいじったりする時間が長くなった。息子はよく実家に顔を出したが、会うたびに様子はおかしくなっていた。生気がなく、会話が続かない。事を済ませると、すぐに部屋に籠もってしまう。 「仕事、そんなに忙しいの?」。心配になって尋ねると、驚きの返事があった。「会社は辞

    ついていったらマルチ:育て方が悪かったのか…息子が「事業家集団」構成員に 母の苦悩 | 毎日新聞
  • ついていったらマルチ:時間、職業、全財産…僕は事業家集団ですべてを失った | 毎日新聞

    第2部「マルチ商法のわな 被害者から学ぶ対処」① 軽い気持ちだった――。東京都内の30代男性は、「事業家集団」の構成員として活動した2年間を振り返った。足を踏み入れる前、疑う気持ちはあったものの、「おかしいと感じたら、いつでも抜け出せばいい」とも思った。この判断は誤っていた。「授業料」と割りきるには高すぎる代償となった。 学生時代の友人から、経営セミナーに誘われたのがきっかけだった。セミナーでは、自らの夢や年収を定め、一緒にがんばる「仲間」を作ることを勧められた。登壇者は「勧誘」という言葉は使わず、「友達作り」と表現し、駅前など街中で声かけをして活動の輪を広げることが重要だと説いた。マイクを手に、息継ぎも忘れて「友達作り」の魅力を訴える参加者。発言のたびに歓声や拍手が上がった。 セミナーでは、経営の「師匠」の下、50人の友達を作ると自分も店舗オーナーになることができ、年収が飛躍的に上がると

    ついていったらマルチ:時間、職業、全財産…僕は事業家集団ですべてを失った | 毎日新聞
  • 「うるさい、静かにしろ!」 入管施設「制圧」の実態 映像入手 | 毎日新聞

    「倒そう、制圧、制圧」。手袋をはめた制服姿の入管職員が、収容されていた日系ブラジル人男性を6人がかりで押さえ込み、「痛い、痛い」と叫ぶ男性の腕をねじり上げた。「痛いじゃねーんだよ」「うるさい、静かにしろ」。職員の大声が響き渡る。これは、男性が東京入国管理局(現・東京出入国在留管理局、東京都港区)に収容されていた際に職員による暴行でけがをしたとして、国に損害賠償を求めた裁判で東京地裁に提出された証拠のビデオ映像だ。入管収容施設で外国人が職員に暴力を振るわれたと訴える裁判が相次いでいる。入管の収容施設で、何が起きているのか。前編と後編に分けて伝える。【上東麻子/デジタル報道センター】(後編はこちら) 暴行を受け負傷したとして国を提訴 訴状などによると、2018年10月5日、東京入管に収容されていた日系ブラジル人、アンドレ・クスノキさん(35)は入管職員から、茨城県牛久市にある入国者収容所「東日

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  • 変わる中国流のアフリカ支援 | ふらっと東アジア | 米村耕一 | 毎日新聞「政治プレミア」

    「われわれのインフラ・プロジェクトは行き詰まっている。金がない。中国がもう金を出してくれないからだ。だから今、われわれは欧州に頼もうとしている」 ナイジェリア紙が今月1日に報じた同国のアマエチ交通相の発言は、アフリカ大陸への最大の開発資金拠出国、中国の方針転換を象徴している、と関係者の間で話題になった。ナイジェリアでは鉄道整備が資金不足から計画通りに進んでいない。この原因の一つに中国アフリカ支援策の変更がある、とナイジェリア政府高官が明言したためだ。 中国は、国連(加盟193カ国)の場などで50以上の票を持つアフリカ各国を重視し、伝統的に対アフリカ外交に力を入れてきた。中国外相が毎年、年の初めにアフリカを訪問する慣例は30年以上も続いている。 2000年には中国アフリカ53カ国による「中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)」を設立。日主導のアフリカ開発会議(TICAD)に似た枠組み

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  • ついていったらマルチ:マルチ疑惑組織と一致した手口 それでも「君は?」に揺れる心 | 毎日新聞

    第1部「事業家集団構成員Nと過ごした3カ月間」④ 「いい居酒屋知らない?」と声をかけてきたNとやりとりを続けながら、記者(28)はこの組織の目的を明らかにするために、別のルートでも接触を試みた。これまでに参加したイベントや、Nから聞いたことなど、断片的な情報をSNS(ネット交流サービス)などで探った。その結果、マルチ商法の疑いがある組織に加入していた複数の関係者や元構成員にたどりついた。 関係者への取材で判明した勧誘方法は、Nと出会ってからこれまでに経験した出来事にほぼ当てはまった。誘い文句に、人気漫画が登場することまで同じだった。ばらばらだった一人一人が「一つの夢」をかなえるために団結するストーリーが勧誘に使いやすいからだという。関係者によると、この組織は「事業家集団」「環境」「アカデミー」「チーム」などと呼ばれ、構成員は東京、大阪を中心に数千人いるとみられる。 元構成員は、組織の勧誘方

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  • 孤独つけ込む「マルチ」(その2止) コロナ下、新手被害 「師匠」信じ、困窮 | 毎日新聞

    若者に声をかけ、居酒屋を尋ねる男2人組(右側)。この日は確認できただけで約7時間、50人に声をかけた=JR高円寺駅周辺で2021年5月(画像の一部を加工しています) 月15万円「投資」 共同生活迫られ 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、新たな手口の「マルチ商法」の疑いがある組織が生まれた。関係者によると、「事業家集団」の構成員は数千人規模。東京都内の企業に勤めていた30代男性は約2年間、構成員として活動した。貯金数百万円を失い、消費者金融で50万円の借金を背負った。最後には事にも窮し、1日1、麺だけのパスタにケチャップをかけて飢えをしのいだ。 学生時代の友人から、経営セミナーに誘われたのがきっかけだった。登壇者は「友達作り」の重要性を説き、駅前などで声かけをして活動の輪を広げることを推奨した。経営の「師匠」の下で、50人の友達を作ると自分も店舗オーナーになることができ、年収が飛躍的に

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  • ついていったらマルチ:駅前に「いい居酒屋知らない?」と聞く集団 ついていってみた | 毎日新聞

    第1部「事業家集団構成員Nと過ごした3カ月間」① 2021年5月2日午後1時50分ごろ、東京都杉並区のJR高円寺駅前。雑踏の中、ラフな服装をした20~30代の男2人が、南口のアーケード街入り口にいた。懸命に周囲に目を配り、行き交う人をチェックする。まるで品定めをするかのようだ。買い物袋を抱えた若い男性が現れると、2人は目配せし、男性に親しげに話しかけた。「近くでいい居酒屋知らない?」 突然知らない男に声をかけられたことに一瞬、驚いた表情を見せながら、男性はイヤホンを外した。2人の話を聞き、親切に店を指さした。2人は年齢や職業、出身地など、矢継ぎ早に男性に質問を続ける。どうやら会話が弾んだようだ。「いい店教えてもらったわ。ありがとう。今度飲みに行こう」。別れ際、男の1人がスマートフォンを出すと、男性は快く連絡先の交換に応じた。男性が会釈をしてその場を立ち去ると、2人は男性が紹介した店には目も

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  • ついていったらマルチ:不労所得ゲーム「現実にできたら…」 紹介された「才能ある」男 | 毎日新聞

    第1部「事業家集団構成員Nと過ごした3カ月間」② 高田馬場駅近くの貸会議室での飲み会から1週間後。「事業家集団」構成員のNからフットサルに誘われた。記者(28)も右足で1ゴールを決めると、参加者とハイタッチで喜びを分かち合った。ごく普通のサークル活動にしかみえない。ただ、20人以上が集まったこの日も、全員があだ名で呼び合い、誰一人として素性は分からなかった。 フットサルの後、Nの大学の同級生という男性、Sを紹介された。Sは才能があり、「今年中に店舗を経営する」という。先週渡されたの感想を求められ、「興味深かった」と伝えると、Nはうれしそうにこう言った。「Sには、お世話になっている女性の『師匠』がいて、一緒に活動している。これからはSにいろいろ相談したらいいよ」 後日、Nに誘われ、指定された新宿の貸会議室を訪れると、ほかに5人がいた。机の上には、見慣れないものが広げてある。働かないで金を稼

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