生活安全課長が匿名の陰に隠れて誹謗中傷 県警関係者が明かす。 「4月に東野教授からの刑事告訴(侮辱罪)を受理し捜査を行ったところ、県内の警察署で生活安全課長をつとめていた40代のA警部が、Xの自らのアカウントから東野教授への誹謗中傷を行ったことを認めました」 東野教授は、ウクライナ戦争の解説でメディア出演をつづける国際政治学者だ。 一方、A警部が所属していた生活安全課といえば、ネット上のトラブルにも対応する部署だが、よりによって元課長が匿名の陰に隠れて誹謗中傷していたのだ。
家族が事件や事故に「巻き込まれる」ことをイメージする人はいるが、「加害者」になることまで想像する人は少ないであろう。しかし、あなたの大切な家族が他人の命を奪ってしまい、ある日突然、加害者家族になることは、特殊な人々だけが経験することではなく、日常に潜むリスクなのだ。 ここでは、2000件以上の加害者家族支援を行ってきた阿部恭子氏の著書『家族が誰かを殺しても』(イースト・プレス)から一部を抜粋。2019年4月19日に「東池袋自動車暴走死傷事故」を引き起こした飯塚幸三受刑者(91)の受刑生活を紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く) ◆◆◆ 拘置所側も先例がない高齢者90歳の収監 幸三が東京拘置所に収監されてから数日後、妻の下には夫から手紙が届いていた。 「あまりに悲惨な状況に、母は泣き崩れてしまって……」 長男も、手紙の内容に衝撃を受けていた。 車椅子がなければ歩けない状態になった幸三は、
森功氏は、10月5日配信の「文藝春秋 電子版」及び「文藝春秋」11月号(10月10日発売)に掲載した記事「森喜朗元首相へ献上された疑惑の紙袋」で、安倍晋三元首相の一周忌を2日後に控えた7月6日、下村氏が東京・赤坂にある森元首相のプライベートオフィスを訪ねた際の様子をこう綴っている。 〈下村は、パーテーションで仕切られた左側の応接スペースのソファーで待機した。ほどなくして森が杖をついて現れ、そばにあるダイニングチェアーのような椅子に腰かけた。 「ご無沙汰をしていました」 下村が丁寧に頭を下げると、威圧感のある低い声で森が凄みを利かせた。 「君、ご無沙汰って、いつからだと思ってるんだ。無沙汰をしていたということを、君は認めるんだな」 すると、下村はソファーから右側に滑り出て正座した。そのまま居住まいを正して床に頭を擦り付けた。 「これまでの無礼をお許しください。(私は)どうしても会長になりたい
いま、世界各国が、中国の公安機関の進出に神経を尖らせている。中国の地方政府の公安局が、海外に秘密警察の拠点(通称「海外派出所」)を設置するケースが続出しているのだ。なお、中国を含む世界192カ国が批准する「外交関係に関するウィーン条約」では、他国内において在外公館以外に許可なく政府関連施設を設置することを禁じている。海外派出所は明確な国際条約違反だ。 秘密警察の拠点では、在外中国人の免許更新などのほか、中国人留学生の監視、スパイ活動、さらには反体制派への脅迫やテロ予告などもおこなっていることが、米国FBIの調査などから明らかになってきた。 そんな秘密警察の拠点は日本にも複数ある。加えて、ある施設は中国大使館員が出席した会合の席上で設置が決定されており、中国大使館が日本に対する主権侵害と国際条約違反に堂々とお墨付きを与えていたことが、ルポライターの安田峰俊氏の調査で明らかになった。安田氏は「
――山岸美喜さんは、徳川慶喜家の第5代当主です。慶喜からみれば、玄孫ですね。祖父は15代将軍・慶喜の孫の慶光さんで、祖母は幕末の会津藩主・松平容保の孫の和子さんという、由緒正しい御家柄です(家系図を参照)。 山岸美喜さん(以下、山岸) 会津松平家は祖母の実家で、徳川慶喜家は母の実家です。慶喜家の当主は、慶喜の七男の慶久、孫の慶光、ひ孫の慶朝と受け継がれました。慶朝の遺志によって、5代目当主として、家じまい、墓じまい、いわゆる絶家という局面に向き合っています。 徳川慶喜家の家系図 徳川宗家と慶喜家の違い ――そもそも、徳川宗家と徳川慶喜家は、どう違うのでしょうか。 山岸 慶喜は1867(慶応3)年に大政を奉還して、謹慎、引退という事になりましたが、将軍という立場を失っても、徳川宗家の当主を誰かに継がせなければいけない。のちに10男11女をもうける慶喜ですが、このころはまだ子がなく、田安徳川家
2018年のワールドカップで、サッカー日本代表は決勝トーナメント入りを目指して健闘中だ。初戦のコロンビア戦には、格上の相手であるにもかかわらず2-1で勝利。6月24日夜(日本時間)のセネガル戦は引き分けた。次のポーランド戦の試合結果と今後の日本代表の決勝T入りについて、日本中が注目し、応援している。……と、されている。 ところが、ごく個人的な理由からその風潮に異論を唱えたのが、『八九六四』 などのバリバリ硬派のノンフィクション作品で知られる中国ルポライターの安田峰俊氏だ。「今回は中国とは無関係ですが」と安田氏が寄稿してきた原稿をめぐり、編集部内のサッカーファンたちは猛烈に反発! 侃侃諤諤の議論の末、ディフェンスを強行突破して掲載に至った“問題原稿”がこちらである。 ◆◆◆ 青いユニフォームを着た人々の中で居心地の悪さを覚えた新宿の夜 2018年6月19日夜、私は新宿三丁目で日本語ペラペラの
今年10月に開かれた中国共産党第20回大会については、すでに報道の洪水である。習近平の「3期目」は既定路線とはいえ、国内外のチャイナウォッチャーを驚かせたのは、党の最高指導部である政治局常務委員会のメンバーが、すべて習近平の子飼いで占められていたことだった。 その卓越した行政能力ゆえに、次政権にも残るかと目された李克強現総理や、次期の総理候補ともみられた汪洋、これまで次世代のホープとみられてきた胡春華といった面々が、 すべて党の政治局から消えた。大会最終日の22日、前党総書記の胡錦濤が不自然な退席を余儀なくされたことも、さまざまな憶測を呼んでいる。 「橋の男」が開いた新展開 いっぽう、党大会の前後から漏れ伝わるのが、国内外での抗議の動きである。まず、党大会直前の10月13日、北京の四通橋に「PCR検査は要らない、食べさせてくれ」(不要核酸要吃飯)、「仕事や学校に行っている場合じゃない、国賊
「コロナ禍での内食需要や健康志向が追い風となり、昨年の純利益は約1億5000万円。今年春時点での社員数は約140人で、今年は年間売上高が50億円に達すると見られ、来年2月の上場を目指していた」(経済誌記者) 急成長を遂げる同社はメディアにも度々登場した。 「今年2月にはNHKの関西ローカル『ほっと関西』で“拡大する冷凍食品業界”というテーマで取り上げられた。4月から池田エライザを起用したテレビCMも放送した」(同前) 〈デブの人は採用しないように〉問題のチャット ナッシュ社を率いるのが田中智也社長(43)。今回、問題発言をしたのは取締役で、No.2のA氏である。 「二人は師弟関係でA氏は田中社長には逆らえない。社内では『社長の太鼓持ち』と言われている」(元従業員) 小誌はA氏がマーケティング部の役職者に送った社内チャットを入手した。そこで彼は、こう呼びかけている。 〈今後の新規採用において
近年、コロナ禍のなかで中国のジャーナリズム界の大物が日本に移り住んだ。その名は王志安。かつてCCTV(中国中央電視台)で人気報道ドキュメンタリー番組の調査記者および解説員を務めていた、中国では顔と名前が広く知られている人物だ。彼は学生時代に天安門事件のデモに参加した経歴を持ち、CCTVでも体制との距離感を保って、中国社会の闇をえぐるドキュメンタリー報道を手掛けてきた。 国営放送の編集委員だった点では、日本で例えるならば池上彰クラスの知名度と影響力があった人物だ(仕事の方向性はちょっと違うが)。当然、池上彰が自民党や公明党やNHKの事情を知るのと同じく、王志安も中国の権力やプロパガンダメディアの表と裏を非常によく知っている。そういう人物が、いまや中国を見限って海外に脱出する時代なのである。 彼は天安門事件から30年が経った2019年6月4日、673万もフォロワーがいた「微博」(中国のSNS)
ラブホ街にはためくカンボジア国旗・仏教旗・日本国旗 神奈川県の中心部、伊勢原市の善波峠を通る善波隧道(旧善波トンネル)付近は、ちょっとした怪奇スポットとして知られている。1965年に少年がバイク事故を起こして亡くなり、その後に遺族が「もう死なないで準一」と、かなり個性的な表現の立て看板を設置した。看板自体は1989年に撤去されたが、山奥のトンネルのたたずまいから、不気味な雰囲気を感じる人はなお多い。 いっぽう、トンネル付近の山肌には、別な意味で独特の雰囲気を放つエリアが存在する。それはラブホテル街だ。地方特有の広大な敷地に、かなり年季が入っていそうなラブホテルが集中しているのである。そしてこのエリアの坂を登っていくと──。いきなりカンボジア国旗・仏教旗・日本国旗が仲良くはためいていた。
東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠氏。ロシアによるウクライナ侵略からしばらくの間、テレビを始めとするメディアで見ない日はなかったといっても過言ではない、ロシア軍を専門とする安全保障研究者だ。 ウクライナ侵略に踏み切ったプーチン政権に対して厳しい目を向ける氏ではあるが、自身の経験をもとに、市井のロシア人の生活から、国家観、社会を紹介する『ロシア点描』(PHP研究所)を上梓するなど、軍事以外の面での理解の必要性も訴えている。 ここでは、今回のウクライナ侵略に対する自身の見解や、研究者としての心境について伺った。(全3回の3回目/#1、#2を読む) ◆◆◆ この戦争は「ハイブリッド戦争」ではない ――話を戦争に戻します。今回の戦争は多様な主体や手段を用いるハイブリッド戦争であるか否か、識者の間でも分かれていますが、どう思われますか? 小泉悠さん(以下、小泉) ハイブリッド戦争をど
東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠氏。ロシアによるウクライナ侵略からしばらくの間、テレビを始めとするメディアで見ない日はなかったといっても過言ではない、ロシアを専門とする安全保障研究者だ。 ウクライナ侵略に踏み切ったプーチン政権に対して厳しい目を向ける氏ではあるが、自身の経験をもとに、市井のロシア人の生活から、国家観、社会を紹介する『ロシア点描』(PHP研究所)を上梓するなど、軍事以外の面での理解の必要性も訴えている。 前編では、戦争が膠着状態にあること、それを打開するためロシアには動員という術があるが、プーチンは動員に踏み切れていないと小泉氏は指摘した。それはなぜか――。(全3回の2回目/#1、#3を読む) ◆◆◆ 動員は政治的賭け 小泉悠さん(以下、小泉) 核と違って人類滅亡の危険は無いから、ロシアは動員をかけてもいいはずなのにしていない。多くのロシア研究者が言っているの
◆◆◆ 一進一退の戦場 ――まず、ウクライナの直近の戦況について、小泉さんの見解は?(※インタビューは7月15日) 小泉悠さん(以下、小泉) 一進一退と思います。どちらも大勝ちできる状況にない。ロシア軍は火力が非常に強力で、要するに大砲やロケット砲の数というか、分厚さが半端ない。今は東部のドンバスを中心に真っ平らな地形で戦っているから、遠距離からロシア軍に一方的にやられてウクライナ軍は勝てていない。 ところが、ウクライナ軍はもともと軍隊が約20万人でその他の治安部隊は10万人、計30万人くらいの軍事力だったのが、今は動員で100万人に膨らんでいる。数の上ではものすごく大きな軍隊を持っているので、簡単には負けない。 ただ、ロシア軍に勝てないし、遠距離で戦うと圧倒的にロシア軍の方が強い。一方、ロシア軍は大砲で叩けるけど、占領する兵隊がいない。陸軍種の最大の機能は土地を占領することですが、ロシア
「あれ、クーラー(ボックス)がない!? 誰かテントにしまってくれた?」 誰もが首を横に振る。そのクーラーボックスは、キャンプ好きの間では高級ブランドとして知られる「イエティ」製で、1年ほど前に「念願かなって」ようやく手に入れたものであった。その大事なクーラーが、いくら探しても、どこにもない。どうやら深夜から早朝にかけて、何者かに持ち去られてしまったことが確定的となったのである。 「キャンプ場で盗難が増えているということは知っていたので、ランタンやチェアなどは寝る前にテント内にしまっておいたんです。『そうだ、クーラーもしまなわいと』と思ったのは覚えているんですが、結局そのまましまい忘れていたんです」(同前) 慌ててキャンプ場のセンターハウスに駆けこむもーー。 「スタッフの方は『そうでしたか。実は先週もランタンを盗まれた人がいて……』という感じで、具体的には警察に相談してください、と」(RI
福井県の山深い場所に、その集落はある。京都府、滋賀県との県境に近く、県道35号から南に伸びる頼りない一本道しか交通手段はない。都会の喧騒とはかけ離れたこの場所に、かつて9世帯が暮らす永谷集落があった。 その平穏な村にダム計画が持ち上がったのは、今から40年前の話だ。ダムが完成すれば、集落は水没して消滅する。穏やかな日々を過ごしていた住民たちは、賛成派・反対派に分かれて対立したが、最終的には全世帯が移転し、集落は無人となった――。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く