「取材に私の母を同席させていいですか」。それは社会学者、富永京子さん(37)からの提案でした。「あえて母の前で言語化してみたいんです」と。富永さんは2歳の子どもの育児や家事などを実母かおるさん(61)にも手伝ってもらうことで、出産前と同じように仕事を続けられています。まさに寅子が新潟に来る前の「寅子と花江」的関係というわけ。そんな娘と母の「虎語り」とは……。【オピニオン編集部/小国綾子】 <前編>あなた、女で損したことあるの?「虎に翼」取材に同席の母ぽつり <後編>「あるべき母親像」が自覚させる 私は足りない存在なのか 「あなた、いつかバレるよ」 ――富永さんは「虎に翼」は7月に入ってからが一番キツイ、と。なぜですか? 富永 兄嫁の花江ちゃんに家事や育児を全部任せ、残業も出張もこなす寅子の姿に自分を重ねてしまうからだと思います。 私は2021年末の出産以来、母になること、母であることをテー