地下鉄サリン事件の実行犯のひとり、 林郁夫被告に“無期懲役”の判決を出した 当時の山室恵(やまむろめぐみ)裁判長は、 それから6年ほどたった2004年に、 東京地裁を退官する。 定年まで9年を残して退官は、周囲を驚かせた。 林郁夫被告の裁判のあと、山室さんは、 坂本一家殺害事件にかかわった オウム真理教の岡崎一明被告に、 今度は“死刑”判決を下す。 さらにその後担当したリクルート事件では 3代目の裁判長をつとめ、 江副浩正被告にも判決を下すなど、 長き裁判の幕をひいた。 「これが辞めるきっかけになったと思います。 つまり燃焼しつくしたという思い、 気持ちのうえで、 リクルート事件が終わったところで、 自分の役割は終わったな、という、 そういう感じが強かったですね」 その時点で、 すでに東京地裁に5年半いたことから、 次の異動も見えてきた。 裁判長から地方裁判所の所長、普通にいけば その先は