札幌市が招致を目指す2030年冬季五輪について、IOCが年内にも開催内定とする可能性があると、今年1月に共同通信などが報じた。神戸親和女子大学の平尾剛教授は「ひとたび五輪が内定すると“どうせやるなら派”と呼ばれる人たちが開催を後押しする。8年後の五輪を阻止するには今からでも決して早すぎない」という――。 開催反対が8割超だったのに強行された東京五輪 年明け早々、2030年冬季五輪を札幌に招致する動きがあると共同通信が報じた。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長と日本側が水面下で協議しており、開催地を一本化する時期が今年の夏ごろから冬にかけてという見込みから、年内にも開催が内定するという。 またも日本でオリンピックが開催されるかもしれない。風雲急を告げるこのニュースに、私はとたんに気鬱きうつになった。 新型コロナウイルスのさらなる感染拡大を憂慮し、開催に反対する世論が8割を
哲学者のジョルジョ・アガンベンが新型コロナウイルスの流行にかんして最初の発言をしたのは、今からおもうと比較的早い時期、2020年2月26日のことだった。彼は「エピデミックの発明」と題した文章のなかでCovid-19をインフルエンザの亜種と断じ、メディアを通じて醸成されていたパニックの雰囲気に釘を指した。彼の目には新しい感染症の流行はさして新しいものではなく、第一次大戦以来というものその歴史的役割を終えていた近代国家権力が、「テロとの戦い」についで危機を統治パラダイムとする絶好の機会として用いようとしているようにみえていた。まさにアガンベンがこの文章を発表した前後に、イタリアでは感染者数とともに死者数も増加していき、医療制度は崩壊し、西側における新型コロナウイルスのパンデミックの地獄のような中心地と化していったことはひとも知るところである。 アガンベンが感染症にたいする政府とメディアの反応を
(人文書院・4950円) 精神力の動員、戦争導いた「技術官僚」 本日の紙面では複数の翻訳書が紹介されているはずだ。元が外国語で書かれた本は、読者の興味をひく序論の書き方から、論理展開を重視する段落構成に至るまで、邦語作品とはやや趣を異にするため敬遠されがちだとも聞く。 だが日本史関連の翻訳書でいえば、外からの目で大きく対象を捉え、通説を十分に押さえたうえで新視点を展開しているものが多く、お薦めなのだ。また、誰もが一度は疑問に思うような問いに、説得的な答えをしっかり書き込んでいるので大局観を得やすい。 今回ご紹介する本もこうした特徴を全て持っている。本書は1931年の満州事変から45年の敗戦までの時期、権力の中核を占めた政治集団としてのテクノ=ビューロクラット(技術官僚)を描いた。この時期の歴史を知るようになると、総力戦に不可欠の石油や鉄鋼等の資源に乏しかった日本が、なぜ世界の超大国を相手に
「苦役列車」「小銭をかぞえる」などの破滅型の私小説で知られる芥川賞作家の西村賢太(にしむら・けんた)さんが5日午前6時32分、東京都北区の病院で急死した。54歳。東京都出身。 関係者によると、西村さんは4日夜、赤羽から乗車したタクシー内で具合が悪くなり、運転手により心停止の状態で病院に運び込まれた。その後、医師が蘇生を試みたが、再度、心臓停止となった。死因は現在、王子署で調査している。また、西村さんの遺族は現状見つかっておらず、葬儀の詳細は不明。今後も見つからない場合は北区で対応するという。 西村さんは中学卒業後、アルバイトで生計を立てながら小説を執筆。同人誌に発表した作品が2004年に文芸誌「文学界」に転載されて注目され、07年に「暗渠(あんきょ)の宿」で野間文芸新人賞、11年には、後に森山未來主演で映画化された「苦役列車」で第144回芥川賞を受賞した。 受賞会見では自身と父の過去の逮捕
石原慎太郎氏が亡くなった。ツイッターでは石原氏の過去の差別的発言に対する激しい批判と、亡くなった人を激しく批判することへの反発が入り乱れた。 政治家が他界した際に過去の言動を批判することが間違っているとは私は思わない。むしろその政治家が残した「負の遺産」が間違った形で後世に引き継がれないように、他界した時点で「負の遺産」として的確に総括しておくことは必要であろう。 一方で、亡くなった時点で激しい表現で批判を展開することへの違和感も理解できる。批判の表現やタイミングには十分な配慮があってしかるべきだし、そのほうが「負の遺産」として総括することへの共感も広がるに違いない。 その意味で「世代もだいぶ違っていて、ご一緒したこともほとんどない。私たちと立場の違いはもちろんあったわけだが、今日言うのは控えたい」という共産党の志位和夫委員長のコメントは政治家の発言としては秀逸だった。 もちろんジャーナリ
前回のブログ一連の凍結・削除・非公開・再公開などにつきまして - 呉座勇一のブログ (hatenablog.com)で、削除についてはてな運営から説明がある見込みと書きましたが、説明が出ました。 送信防止措置およびその経緯に係る情報開示に対する制約 - Hatena Policies。 しかし、この説明を読んでも、 一体何のことだか、理解できる人はいないでしょう。 私の方で時系列で簡単に経緯をまとめると、以下の通りです。 1/13 「番組出演のご案内」を公開する。北村紗衣氏代理人(水田弁護士、谷村弁護士)の通知書を引用した。 1/14 谷村弁護士個人の削除申立てを受けて、はてな運営から意見照会のメールが私に届く(著作権・著作者人格権によるもので、プライバシー違反の指摘はない)。ただしゲンロン出演の反動で鬱状態だった私は数日間メールチェックを怠っており、意見照会のメールが来ていたことに気づか
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く