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ブックマーク / www.msz.co.jp (25)

  • 美と官能とダンディズム。「序論」(抜粋)ウェブ公開 | みすず書房

    美と官能とダンディズム。「序論」(抜粋)ウェブ公開 小倉康寛『ボードレールの自己演出――『悪の花』における女と彫刻と自意識』 2019.11.12 青年は愛する女を彫刻化することによって詩人になった―― 「近代人の成長の物語」を演出した詩人像を析出する画期的な新研究。 序論(抜粋) 小倉康寛 文学者が自伝的な作品で自らのこととして表現する精神性は一般に、その実人生を飛び越え、過剰に偉大なものとなる傾向がある。例えば、現実の作家は欲望にだらしがなかったのに、作品で崇高な愛を表現していることがある。研究が論じようとするテーマを先取りして言えば、彫刻のような身体を持つ女と恋愛する男の物語である。彫刻は古代の理想を体現している芸術であり、男は作家の化身である。彼は女との恋愛を通じて愛に関する思想を深めていくかに見える。しかし、こうした精神性の追求は暴くべき嘘なのだろうか。それとも、意図的な演出な

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    bt-shouichi 2022/05/12
    “小倉康寛『ボードレールの自己演出――『悪の花』における女と彫刻と自意識』”
  • レーナが駆けまわった路地や通りは | みすず書房

    レーナが駆けまわった路地や通りは エレーナ・ムーヒナ『レーナの日記――レニングラード包囲戦を生きた少女』佐々木寛・吉原深和子訳 2017.09.27 期待を胸に生きるのは楽しい。この数日間は期待することで生きている。 (『レーナの日記』1941年4月28日) 戦争が終わってふたたび平和が訪れ、何でも買えるようになったら、黒パンを一キロ、スパイス・ケーキを一キロ、綿実サラダ油を半リットル買おう。細かく砕いてたっぷりとサラダ油を注ぎ、よくすりつぶしてかき混ぜたら、テーブルスプーンを取って、じっくりと味わいながら、お腹いっぱいべるのだ。それからママと一緒にいろいろなピロシキを焼く──肉入りピロシキ、ジャガイモ入りピロシキ、キャベツ入りピロシキ、すりおろしニンジン入りのピロシキを。それからジャガイモがこんがり焼けてシューシュー音を立てている焼きたてをべるのだ。それからサワークリームをかけた水餃

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    bt-shouichi 2022/05/12
    “エレーナ・ムーヒナ『レーナの日記――レニングラード包囲戦を生きた少女』”
  • 二・二六事件を読み直す | みすず書房

    1936年2月26日早暁、陸軍青年将校らの一団約1500名が蹶起した。標的のうち岡田啓介首相と牧野伸顕前内大臣は難を逃れたが、斎藤実内大臣、高橋是清蔵相、渡辺錠太郎教育総監が殺害され、鈴木貫太郎侍従長が重傷を負った。 首謀者らは佐郷屋留雄の浜口雄幸狙撃、血盟団事件、五・一五事件を先駆捨身と称揚。襲撃後は独自の国体観による「待ちの姿勢」をとり天皇の嘉納を期待したが4日目に帰順。軍法会議を経て処刑された。 「クーデター未遂」「統制派と皇道派の抗争」「政治腐敗と農村の窮状を見かねての義挙」「真崎甚三郎黒幕説」。事件についてはいくつもの総括があったが、実相は理解されているだろうか。書は、史料を虚心に読み直すことで事件のありようをとらえる試みである。首謀者らが「皇道派青年将校」だという巷説は正しいのか。真崎黒幕説に便乗することで、皇道派と青年将校をまとめて退治したい幕僚・統制派側の作為ではないか。

    二・二六事件を読み直す | みすず書房
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    bt-shouichi 2022/04/03
    “「軍当局は[…]吾人を犠牲となし、吾人を虐殺して而も吾人の行へる結果を利用して軍部独裁のファッショ的改革を試みんとなしあり、一石二鳥の名案なり」(安藤輝三)。”堀真清著
  • ヒトラーとスターリン【新装合本】 | 死の抱擁の瞬間 | みすず書房

    第二次世界大戦中のヨーロッパ。1941年6月22日早暁、東ヨーロッパで史上最大の軍事作戦が始まった。ドイツ軍300万がソ連に侵攻した、いわゆる〈バルバロッサ作戦〉だ。その日からドイツの敗退まで4年、そしてその間にソ連の2000万の命が失われた。 スターリンはなぜ、この急襲にそれほど無防備だったのか。あらゆる情報網を通して十分な情報を得ていながら、なぜすべての忠告を無視したのか。なぜ最後の瞬間まで、ヒトラーに石油、穀物、軍事物資を供給しつづけたのか。理由は、1939年8月23日に2人の独裁者が電撃的に結んだ独ソ不可侵条約にあった。 この〈悪魔の契約〉に賭けた両者の思惑は何だったのか。書は、BBCのドキュメンタリー制作者2人の手になる迫真のドキュメントであり、膨大な資料をもとにその背景を探り、全容の解明にはじめて挑んだ第一級の歴史読み物。 「条約締結からの22か月間を、多くの国家を駒に見立て

    ヒトラーとスターリン【新装合本】 | 死の抱擁の瞬間 | みすず書房
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2022/03/16
    独ソ不可侵条約…“BBCのドキュメンタリー制作者2人の手になる迫真のドキュメントであり、膨大な資料をもとにその背景を探り、全容の解明にはじめて挑んだ第一級の歴史読み物。”
  • リニア中央新幹線をめぐって | 原発事故とコロナ・パンデミックから見直す | みすず書房

    社会・教育・メディア自然科学・医学社会ノンフィクション科学史・科学思想 紀伊國屋書店ウェブストア Amazon.co.jp honto のネットストア セブンネットショッピング 楽天ブックス Yodobashi.com 紀伊國屋書店Kinoppy honto電子書籍ストア 電子書籍ストアBookLive! Amazon Kindleストア 電子ブック楽天kobo Apple iBooks Storeで購入 eBookJapanで購入 SONY Readers Store コロナ・パンデミックを機に見直すべきものの象徴として著者が取り上げるのは、リニア中央新幹線計画である。書は、安倍政権下で事実上国策化した超伝導リニア計画がはらむ問題を、できるかぎり明確に指摘するという、小さな、具体的な狙いをもつ。それは同時に、なぜこの国では合理性のない超巨大プロジェクトが次々に暴走してしまうのかを浮彫

    リニア中央新幹線をめぐって | 原発事故とコロナ・パンデミックから見直す | みすず書房
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    bt-shouichi 2021/04/10
    山本義隆著
  • 惜しくも急逝した御園生涼子の遺稿集。竹峰義和「編者あとがき」一部抜粋 | みすず書房

    惜しくも急逝した御園生涼子の遺稿集。竹峰義和「編者あとがき」一部抜粋 御園生涼子『映画の声』 2016.10.26 『映画の声――戦後日映画と私たち』は、2015年6月に惜しくも急逝した著者、御園生涼子の遺稿集です。著者の夫であり、書の編者である竹峰義和さんの「編者あとがき」を、一部抜粋してここに掲載します。 竹峰義和 書の著者である御園生涼子にとって、映画というメディアは声という形象と不可分に結びついていた。ここでの声とは、台詞や歌、ナレーションなども確かに含むが、しかしそれだけに還元できない一種の身体的な契機であり、視覚的イメージに随伴しつつも、ときに映像や物語に抗うかたちでスクリーンや画面から不意に立ち現れ、私たちに語りかけてくるような、ロラン・バルトであれば「プンクトゥム」と呼ぶであろう何かである。彼女がある映画作品について論じるとき、何よりもそれは、そこから発せられる声を受

  • 映画の声 | 戦後日本映画と私たち | みすず書房

    「もし死刑という制度に例外事態が起こってしまったとするならば、すなわち、死刑の執行が失敗し、その後も被告人が生き延びてしまったとしたら、一体何が起きるのか? こうした一見、抽象的な思考実験とも思える問いを通して、大島は「国家」という制度の核心へと近づいてゆく」。 『日の夜と霧』『絞死刑』『儀式』『二十四の瞳』『ひめゆりの塔』『浮雲』『森と湖のまつり』『仁義なき戦い』『セーラー服と機関銃』——大島渚や木下恵介からメロドラマ、実録やくざ映画、角川映画まで、日映画は戦後民主主義と大衆消費社会の結節点にありながら、国家と共同体の外へ追われた“他者の生”を描いてきた。 国民の物語と娯楽性の狭間にあって映画は、安保を、在日を、天皇を、戦争を、沖縄を、アイヌを、ふるさとを、恋愛を、少女を、いかに表象してきたのか。映像に固有の論理と緻密な分析によって、仮借なき暴力に彩られたそのさまざまな〈声〉を聴き取

    映画の声 | 戦後日本映画と私たち | みすず書房
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    bt-shouichi 2021/01/03
    “大島渚や木下恵介からメロドラマ、実録やくざ映画、角川映画まで”
  • フランソワ・フュレ | みすず書房

    1927年パリに生まれる。パリ大学を卒業後、国立科学研究センター(CNRS)の研究員を経て、社会科学高等研究員の主任研究員さらにその院長をつとめた。ドニ・リシェとの共著『フランス革命』(1965)でフランス革命研究に大きな衝撃をもたらした後も『フランス革命を考える』(1978、邦訳 岩波書店)などによりフランス歴史学会で中心的な位置を占める。最近は20世紀の革命と共産主義の批判的検討を行なったLe Passe d’une illusion(1995)がベストセラーになった。1997年事故により死去。

  • 治安維持法の教訓 | 権利運動の制限と憲法改正 | みすず書房

    治安維持法は大正14(1925)年に制定され、昭和3年と16年の改正をへて猛威をふるった。書は歴史研究による刑法学の第一人者が、帝国議会の審議から制定の過程を、大審院の判例から運用の過程を読み解くことで、時勢と共に変容した国民統制のメカニズムを解明する。 大正デモクラシーの風を受け、国会議員には弁護士など法曹出身者や、大衆に支持された無産政党の指導者も多く、治安維持法の審議では迫真の討論が行われた。「国民が萎縮する」「濫用の危険性はないか」「世界の潮流から後れる」「学問の自由を制限しないか」。多くの懸念が表明され、やがて現実となった。 《京都学連事件》《川崎武装メーデー事件》《司法官赤化事件》《唯物論研究会事件》。法廷ではどんな法理論を用いて「目的のためにする行為」「支援結社」などを拡大解釈して無数の有罪判決を導いたのか。被告・弁護士・裁判官・大審院長・思想検事の言葉からは、「専制と暴力

    治安維持法の教訓 | 権利運動の制限と憲法改正 | みすず書房
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    bt-shouichi 2020/01/13
    “法廷ではどんな法理論を用いて「目的のためにする行為」「支援結社」などを拡大解釈して無数の有罪判決を導いたのか。”
  • フランクフルト学派のナチ・ドイツ秘密レポート | みすず書房

    アメリカはすでに1942年頃から、ナチス・ドイツの敗北を想定し、戦後処理のための情報を収集していた。しかも書き手は、ドイツから亡命してきたフランクフルト学派の名だたる知識人、ノイマン、マルクーゼ、キルヒハイマーたちであった。 第二次世界大戦中にアメリカの「戦略情報局」(OSS、CIAの前身)の調査・分析部、中欧セクションで書かれた秘密文書をここに公刊。第一部「敵の分析」、第二部「崩壊のパターン」、第三部「政治的オポジション」、第四部「非ナチ化と〔占領〕軍事政府」、第五部「新しいヨーロッパのなかの新しいドイツ」、第六部「ニュルンベルクへ」、第七部「新たな敵」の七部構成・31編のドキュメントから日語版として15編を収録する。 冷戦構造も見据えたアメリカの戦後世界構想はどのようなものであったか、ノイマンたちはどのような思いで何を書いていたのか。歴史的資料として貴重であるのは言うまでもなく、日

    フランクフルト学派のナチ・ドイツ秘密レポート | みすず書房
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    bt-shouichi 2019/12/21
    米は1942年頃からドイツの戦後処理のための情報を収集していた。その書き手の中に、亡命してきたフランクフルト学派の知識人が/フランクフルト学派陰謀論の人達の反応が気になる
  • 回想のケンブリッジ | 政治思想史の方法とバーク、コールリッジ、カント、トクヴィル、ニューマン | みすず書房

    学問的自伝の色合いを帯びた美しい回想記に導かれるモノグラフ集成。著者は長年第一線で、歴史的な政治思想史をひとすじに追究してきた。 〈私には、その後の研究人生の中で、長い時間をかけて少しずつ自覚化されてきた目標がある。その目標とは、最も広い意味で運動論とは距離を取ることを心掛けながら、思想家たちがそれぞれ遭遇した状況の中で、所与の言語的資源の制約のもと、いかにそれを最大限に利用して対処したかを、及ぶ限りの想像力を働かせて描き出す努力をすることである〉〈およそ思想家と呼ばれるほどの人物には多面性が常に伴う。研究者は、その多面性の構造と理由に対して最大限の尊敬を以て接しなければならない。そして、その思想家が論じた事柄が何らかの意味で政治と深い関わりを持つ時、私たちは彼/彼女を政治思想家と呼ぶ〉(序章) スキナー、ダン、ポーコックらいわゆるケンブリッジ学派との出会いが、方法意識をより明確化した。や

    回想のケンブリッジ | 政治思想史の方法とバーク、コールリッジ、カント、トクヴィル、ニューマン | みすず書房
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    bt-shouichi 2019/06/06
    “回想のケンブリッジ 政治思想史の方法とバーク、コールリッジ、カント、トクヴィル、ニューマン”半澤孝麿著
  • 明治維新の敗者たち | 小栗上野介をめぐる記憶と歴史 | みすず書房

    小栗上野介忠順(1827-68)は万延元年の使節団員として渡米し、勘定奉行や外国奉行を歴任、崩壊しつつある幕政を中枢で支えた人物だが、後世の評価は二分した。一方に、横須賀造船所を建設し、最初の株式会社「兵庫商社」を構想した合理主義者で、近代化の立役者という評価があり、もう一方に、薩長との主戦論を唱え無用な戦争に固執したという見方がある。その主戦論が原因で罷免され現在の群馬県に隠棲したが、謀反の容疑をかけられ新政府軍により斬首。以来、逆賊の謗りを受けてきた。 歴史は勝者によって書かれる。幕末維新史も例外ではない。書は小栗上野介という類稀な人物を敗者の代表として選び、敗者への公正さを要求した人びとが「勝てば官軍、負ければ賊軍」式の明治政府史観に、いかに抗ってきたかを跡づける。それは草の根的に地方で始まり、全国的な歴史観に影響を与えるに至った。書はこの過程を豊富な一次史料、文学作品、映画、テ

    明治維新の敗者たち | 小栗上野介をめぐる記憶と歴史 | みすず書房
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    bt-shouichi 2019/06/06
    “本書は小栗上野介という類稀な人物を敗者の代表として選び、敗者への公正さを要求した人びとが「勝てば官軍、負ければ賊軍」式の明治政府史観に、いかに抗ってきたかを跡づける。”地域振興、「失われた10年」
  • アナーキズム【オンデマンド版】 | みすず書房

    虎ノ門事件、朴烈・金子ふみ子事件、黒色青年聯盟、農村青年社事件など、絶対の自由、権力拒否を希求したアナーキズムの基資料。 [1988年7月初版発行]

    アナーキズム【オンデマンド版】 | みすず書房
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    bt-shouichi 2018/12/27
    映画観る前にこれちゃんと読まなきゃなぁ
  • [トピックス]脱北者とオリンピックをめぐる小説は、朝鮮半島の現実直視、本音全開。チョン・スチャン『羞恥』斎藤真理子訳 - みすず書房

    頁に指がはりつく。読み出したら止まらない小説である。 舞台は韓国の東南アジアからの移民が集まって暮らす町からはじまる。 主人公ウォンギルは脱北者。北朝鮮から韓国へと逃げてきた人々だ。 異邦人の町でも、脱北者はとりわけ異邦人だった。 彼は夏に入って家具工場を解雇された。 「あの世に行かせたくないから辞めてもらうんだよ。まともに睡眠がとれるようになったらまた来いよ」 あえて不眠を理由にしなくても、首を切る理由は充分にあったろう。私は仕事熱心ではなかったし、熟練しようと努力したわけでもなかった。それでも解雇の理由として不眠を強調したのは、いつも私を気の毒に思ってくれていた社長だけに、解雇を告げるのがつらかったからだろう。 同じ脱北者である友人のヨンナムは、自給自足の生活を求めて、江原道に移住した。冬季オリンピックを誘致したその地で、選手村建設予定地から朝鮮戦争当時の民間人の遺骨が大量に出土した。

    [トピックス]脱北者とオリンピックをめぐる小説は、朝鮮半島の現実直視、本音全開。チョン・スチャン『羞恥』斎藤真理子訳 - みすず書房
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    bt-shouichi 2018/08/11
    冬季五輪の選手村建設予定地から朝鮮戦争当時の民間人の遺骨が大量に出土。/歴史がモムブリムしている/“主催する側にとってみりゃ、オリンピックは簡単にいって商売だ、商売! それ以上でも以下でもない。”
  • 憲法9条へのカタバシス | みすず書房

    憲法9条とりわけ2項をどう解釈すればいいのだろうか。今まで一度も真に理解しないまま、粗雑な議論で花芽を摘んでいいはずがない。カタバシスは「下降行」、転じて、冥府に降り、過去の人物に遭うこと、さらに転じて、時間軸を遡ることをいう。タイムトンネルをくぐり、明晰に著者は立論する。 9条は、パリ不戦条約が自衛権留保によって空洞化したという苦い歴史的経験の上に立つものであった。自衛概念の危険性は、ホッブズが遙かトゥーキュディデースの書物を最深部まで読み込み、その克服の見事なロジックを組み上げたものであった。 〈こうして、既に9条1項は、一見不戦条約をそのまま継承するものに見えて、自衛のための戦争をも否定する〉〈2項はさらに、占有線を越えない実力形成といえども内部をトータルに軍事化して他国の軍事化に対抗し抑止力(報復力)を得るものであればこれを禁ずる趣旨である。これが自衛権拡張の主要なヴィークルだから

    憲法9条へのカタバシス | みすず書房
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    bt-shouichi 2018/04/22
    木庭顕。“自衛概念の危険性は、ホッブズが遙かトゥーキュディデースの書物を最深部まで読み込み、その克服の見事なロジックを組み上げたものであった。”
  • 『完訳 天球回転論』 高橋憲一「まえがき」ウェブ転載 | みすず書房

    『完訳 天球回転論』 高橋憲一「まえがき」ウェブ転載 『完訳 天球回転論――コペルニクス天文学集成』高橋憲一訳・解説 2017.10.12 (巻頭の「まえがき」をここでお読みになれます) まえがき 高橋憲一 書は『コペルニクス・天球回転論』(1992年)の拡大増補版である。旧版には、コペルニクスの主著『天球回転論』の宇宙論的部分(第I巻11章まで)の翻訳と、太陽中心説のアイデアを最初に披瀝した『コメンタリオルス』の全訳が収められ、訳者による天文学史の解説「コペルニクスと革命」が付されていた。刊行以来四半世紀、復刊の希望も幾度となく寄せられ、読者から温かく迎えられたことは訳者の大きな喜びであった。しかし主著の翻訳が部分訳に留まっていることに、訳者としては申し訳ない気持ちを抱き続けてきたが、翻訳のための時間を見出すのは困難であった。 しかし月日の経つのは早いもので、2010年、ついに定年退職

    『完訳 天球回転論』 高橋憲一「まえがき」ウェブ転載 | みすず書房
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2017/10/18
    「コペルニクスの主著は、その構成法、古代の観測データの尊重と継承、理論構成の原理的な構えと技法において、天動説の大成者プトレマイオスの『アルマゲスト』といかに似ていたか」
  • ダンテ『神曲』講義【改訂普及版・新装版】 | みすず書房

    「ダンテの『神曲』は天国のために書かれたであることを、つまりわれわれはダンテとともに古典文学的教養をもって地獄、悟性と想像力とをもって煉獄を遍歴したうえ、ようやく光にみちる天国において理性的精神が神の至福に招かれるよろこびのための書であることを実感しなくてはならない。そして『神曲』とは、そのよろこびを分かち合うべく地上でなお苦しむ人や煉獄で苦しむ霊魂の救いのために心を尽くして祈るという、天国での至福における他者奉仕としての愛がもたらす、天上と地上の愛の交流の歌なのである。言わば地獄篇は文学、煉獄篇は哲学、そして天国篇は神学の演習の場であるといえよう。」(著者「改訂普及版のために」) 少年時代に矢内原忠雄のダンテ講義の席に連なり、その後も哲学の仕事のかたわら、数十年にわたって『神曲』を読みつづけてきた著者による〈詩人哲学者〉ダンテ講義録。第25回マルコ・ポーロ賞を受賞した書に、著者による全

    ダンテ『神曲』講義【改訂普及版・新装版】 | みすず書房
  • [新版]アーレント『全体主義の起原』『エルサレムのアイヒマン』を刊行 | みすず書房

    [新版]アーレント『全体主義の起原』『エルサレムのアイヒマン』を刊行 ハンナ・アーレント『全体主義の起原』全3巻[新版] 『エルサレムのアイヒマン』[新版] 新版刊行にあたって(2017年7月) 2017.07.26 「悪」をみつめた20世紀の古典。小社のロングセラー、ハンナ・アーレント『全体主義の起原』(全3巻)・『エルサレムのアイヒマン』を、新版としてこの8月に刊行いたします。(電子書籍も9月29日より配信 電子書籍のご案内はこちら) 全文に最新の研究成果を反映 正確で読みやすく、用語・用字も一新 『全体主義の起原』原書初版(1951年)に付された「まえがき」初収録(矢野久美子訳) 矢野久美子による新解説(『全体主義の起原』) 山田正行による新解説(『エルサレムのアイヒマン』) 今年1月にはトランプ政権下のアメリカで『全体主義の起原』がベストセラー入り、9月にはNHK-Eテレ(教育)の

    [新版]アーレント『全体主義の起原』『エルサレムのアイヒマン』を刊行 | みすず書房
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    bt-shouichi 2017/08/06
    最初に翻訳が刊行されたのは69年と72・74年。当時はアレントは少数の学者にしか知られておらず、あんま売れなかった。版を重ねるようになるのは90年代に入ってから
  • 刑法と戦争 | 戦時治安法制のつくり方 | みすず書房

    今の状況は昭和3(1928)年に似ている。この年、議会制の下で「治安維持法」が改正され、以後、猛威をふるった。3年後に満州事変が勃発、「法の支配」が換骨奪胎され、日戦争に突き進んだ。 治安維持法によって、最初は無政府主義者と共産党員、次に労働組合・農民運動と宗教者、やがて反戦主義・民主主義・自由主義者まで処罰された。「普通の人々」の「普段の生活」が取締りの対象になった。 刑法学者である著者は「歴史的なものの理論化」という法学の方法論によって、治安刑法の論理と運用に切り込んでいく。戦時体制をつくるためには、軍法のほかに、戦時治安法・秘密保護法・国家総動員法等が必要になる。現在の日が平時の治安政策から戦時の治安政策へと変化しているさまは、まるで戦前に学んだ設計図が存在するかのようだ。 第二次世界大戦時の残虐非道な行為の多くは、法令に基づいて行われた。「量の民主主義」(多数決)は「悪法」を

    刑法と戦争 | 戦時治安法制のつくり方 | みすず書房
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    bt-shouichi 2015/12/02
    『刑法と戦争 戦時治安法制のつくり方』/刑事法学者・内田博文著。「戦時体制をつくるためには、軍法のほかに、戦時治安法・秘密保護法・国家総動員法等が必要になる。」
  • ニック・タース『動くものはすべて殺せ』 | みすず書房

    白井洋子先生(日女子大学教授、アメリカ史)より、書のためにエッセイをご寄稿いただきました。 民間人無差別大量殺戮と「憂慮する」兵士たち 白井洋子 ベトナム戦争終結から40年目の今年、アメリカ合衆国国防総省のホームページは「ベトナム戦争50周年記念」として、ベトナム戦争従軍兵士とその家族に感謝し、栄誉を讃えるさまざまな企画の報告記事と写真で飾られた。そこでは40年前に敗北した戦争終結の歴史は何も語られていない。米国政府は1965年を公式なベトナム戦争開始の年としている。その前年の64年8月、米国は、トンキン湾事件への報復として北ベトナムを爆撃し、翌65年2月以降、北ベトナムへの継続的な空爆作戦を展開した。3月には、米軍最初の地上戦戦闘部隊として海兵隊2個大隊3500人が沖縄の米軍基地からダナンに上陸、7月、同じく沖縄から発進した30機のB52がサイゴン南東地域を爆撃した。戦争アメリカ

    ニック・タース『動くものはすべて殺せ』 | みすず書房
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    bt-shouichi 2015/10/20
    「アメリカ化した戦争の実態を克明に描き出すことで、軍事大国アメリカがなぜベトナムで敗北したのかを浮かび上がらせる」「戦争のアメリカ化とは、まさに非武装の民間人の無差別大量殺戮の本格的開始を意味した」