熊本県水俣市の宮本勝彬市長は26日、福島第1原発事故の避難者への偏見や差別について、「水俣病の経験と重なり合う部分が多く、心配でならない」として正確な情報の共有を訴える国内外向けのメッセージを発表した。 1956年に公式確認された水俣病は健康被害にとどまらず、被害者や水俣市民すべてが強い偏見や差別にさらされた。当初は「奇病」と呼ばれ、就職を断られたり婚約を解消されたりした。 メッセージは「避難者への差別や偏見を知り、水俣市民は心を痛めている。放射線は怖いものだが、事実に基づかない差別や中傷はもっと怖く悲しい。水俣病のような経験を繰り返してはならない」と訴えた。【西貴晴】