【メキシコ市=菅原啓】南米チリでピノチェト軍政時代(1973~90年)に死亡したアジェンデ人民連合政権(70~73年)幹部の死因を改めて追求する動きが相次いでいます。 チリ共産党は5月31日、党幹部でノーベル文学賞を受賞した詩人パブロ・ネルーダ氏が毒殺された疑いがあるとして、首都サンティアゴの控訴裁判所に告訴状を提出しました。 ネルーダ氏はピノチェト将軍らによる1973年9月11日のクーデター直後の同月23日、首都サンティアゴ市内の病院で死亡。これまでの公式発表では、死因は前立腺がんの症状悪化のためとされてきました。 最近になってメキシコの週刊誌『プロセソ』が、ネルーダ氏の運転手マヌエル・アラヤ氏のインタビューを掲載。アラヤ氏は、ネルーダ氏は軍部の指示を受けた医師が注射した後、容体が急変して死亡したと証言しました。 クーデター発生当時、チリ駐在メキシコ大使だったマルティネス・コルバラ氏は、