ここ数年「Fintech」という金融の新潮流が広がり、異業種やIT企業が金融業に参入するなど、常識を変える出来事が相次いだ。世界の金融業界を飲み込まんとする変革の嵐は、日本の地方銀行にも例外なく襲い掛かっている。山口県下関市に本社を置く「山口フィナンシャルグループ」(YMFG)は、そんな激動の時代を生き抜くため、金融の枠を超えた企業へと脱皮を試みている好例だ。 彼らの武器は「データ」。これまで傘下の銀行(山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行)がバラバラに保有していた顧客情報などをまとめ、一元管理する「統合データベース」をクラウド上に構築した。ゆくゆくは各社員が率先してデータを分析し、顧客の状況に合った金融商品をおすすめするなど新サービスの創出につなげる。 そんなビッグプロジェクトを推し進める、YMFGの高田敏也氏(IT統括部 副部長)は「銀行自体が保守的な業態だと思うが、その中でもYMFGは『