1つは、バブルの兆候がどんどん揃ってきていることだ。 金融緩和、悪いニュースへの無反応、高バリュエーションの正当化、IPO・暗号資産の活況、新規投資家の大量参入などはその最たるものだ。 これらすべてに共通する点が 「This time is different.」(今回は違う) のさまざまな現れである点だ。 市場は過去のようには回帰しない、そういう信仰が背景で芽生えたのだろう。 悪意があったわけではなかろうが、主因に慢性的な金融緩和依存があったのは否定できまい。 あるいは、金融緩和以前に、超長期の金利低下サイクルだと主張する人もいるかもしれない。 いずれにしても、物語は1980年前後のボルカー・ショックから始まった。 ボルカーはFRB議長に就任すると、猛威を奮っていたインフレを強力な金融引き締めにより退治した。 インフレと金融引き締めで金利は高位にあったが、ここから40年近く続く金利低下サ