大都会の喧噪から離れ、ゆっくりと物思いにふけることができる「黙考スポット」。前回のコラムでは、東京都心の港区でも有数の「黙考スポット」である増上寺とプリンス空中庭園を紹介したが、今回はそのプリンス空中庭園から見えた森について紹介する。 小さな白いチャペルで「メルヘン気分」に浸る 爽快な青空を全身で感じることのできるプリンス空中庭園。増上寺の裏の高層ホテル「ザ・プリンス パークタワー東京」の敷地内に広がる緑の芝生が心地よい。僕は自分の体から徐々に都会の毒素が抜けていくような錯覚を覚えた。 空中庭園の芝生は小学校の校庭ほどの広さで、全体をぐるりと見渡せる。深呼吸しながらゆっくり首を回すと、草陰の隙間から純白の洋風な建物が見えた。毎日の都会暮らしで灰色のビルしか認識できなくなっていた僕のくすんだ瞳は、その純白さに気づかず、思わず素通りしてしまいそうになる。 近づいてその純白な建物を確認すると、小