■ゲーム感覚、罪悪感なし 現代アーティストとして活躍する別府公夫さん(49)=仮名=は、東京都内で生活をしていた中学生(15歳)のころ、スーパーで食品を万引したことがある。自由業の父親は家に帰らず、ほとんど金も入れなかった。義母と弟の3人暮らしで、毎日の食事にも事欠く貧しい生活だった。 それでも我慢していたが、あまりの空腹に我慢できず、近くのスーパーに行き、チャーシュー1パックに手を出した。 「いつも腹が減っている状態だった。空腹は満たせたが悔やみ、1週間くらいイヤな気持ちが続いた」 別府さんは罪悪感にさいなまれ、それ以後、万引をすることはなかった。 当時は監視カメラなどはほとんどなく、監視員の目も今ほど光っていたわけではない。 「僕の場合、たまたま見つからなかっただけですが、万引は他人の物を盗むわけですから当然犯罪です。過去を思いだすたびに心が痛みます」 日本全体が貧しく、生きるために仕